ここでラクロワは車両のエアロダイナミクス開発のワークショップに参加して意見交換を行い、その後すぐにフォード・パフォーマンスのCFD部門がデザイン作業をスタート。このCFDチームはWEC世界耐久選手権に参戦するLM-GTE車両のフォードGTや、マスタングのGT4モデルの開発も手掛けたチームだ。
「このプロジェクトは多くの関係部門とコミュニケーションを取る必要があり、その点でもルードが参加して北米と豪州のパイプ役になるのは理にかなっている」と続けたストーリー。
「ルードの役割は技術と人材のコーディネーターで、参加者の顔と能力を一致させることも役割のひとつだ。DJRTPのデザイナーであるペリー・キーパーも、デザインの細部に関して重要な役割を担っているよ」
「さらに大事なことは、豪州だけでなく本部デトロイトのフォード・パフォーマンスが懸命に働いてくれていることだ。我々の『フォード・マスタング・スーパーカー』プロジェクトは、かなり大掛かりなグループで作業が進んでいるんだ」
一方、ライバル陣営のホールデンは、ワークス指定チームであるトリプルエイト・レースエンジニアリングに所属する大ベテラン、クレイグ・ラウンズが2018年シーズン限りでレギュラー参戦から退く意向を発表したばかりだが、その代替ドライバーとしてシモーナ・デ・シルベストロの獲得を模索しているという。
現在、ニッサン・モータースポーツに所属しL33型のアルティマをドライブしているシモーナは、F1でのテストドライバー経験を筆頭に、複数回の表彰台を経験した北米のインディカーやフォーミュラEなど、シングルシーターでの国際的キャリアを提げてVASCに参戦した。
トリプルエイトの代表を務めるローランド・デーンは、チームの功労者であるラウンズの去った後、現在のように3台目のマシンを走らせるかどうかを明言していないが、レッドブル・レーシング・オーストラリアの2台、王者ジェイミー・ウィンカップとシェーン-ヴァン・ギズバーゲンに加え、サテライトにシモーナを迎えて30%を女性クルーの構成としたチームの立ち上げを計画しているという。
まだ詳細は明かされておらず、チームは「ラウンズの去就と2019年活動計画を数日以内に明らかにする」と語るに留めているが、シモーナはすでに今季始めにチームの本拠地に近いクイーンズランドに拠点を移している。


