「レース後にいろいろと調べてわかりましたが、マシンのウィングセッティングが間違っていました。計算ミスがあった。一昨日のプラクティスで遅かったから、フロントにもっとダウンフォースが必要だということになって、ウィングを立てていって、さらに大きめのガーニー・フラップを端から端まで着けました。そうしたらグリップが上がり過ぎてしまった」
「想定よりも3.5パーセントもダウンフォースが大きくなっていました。普通、僕らは0.2パーセントぐらいの話をしているというのに、3.5パーセントも違っていた。スピンして当然でした。フェニックスでの予選でクラッシュしたのも、提供されていたエアロの計算が間違っていたためだったけれど、あの時のズレは2パーセント。今回はそれより断然大きい3.5パーセントも違っていました」

「プラクティスではウイングのメインプレーンの後ろ側で空気がストールしちゃっていたようで、ダウンフォースを増やすべくガーニーを着けた。そのためにウイングのメインプレーンの角度を寝かせる必要があったんだけれど、普通は寝かせたらダウンフォースが減るのに、今回はストールしてた空気が流れるようになったものだら、寝かせたことで逆にグリップは増えてしまった。そこに大きなガーニーまで装着したので、ダウンフォースが必要な量を遥かに越える大きさになってしまっていた」
「スタート直後のターン1で“フロントの食いつきが良いな”と感じたから、ターン3に入る前にツールでの調整はしなかった。そうしたら、フロントばっかりがグリップするマシンになっていたため、リヤが突然スパーンと流れてしまいました」と琢磨は説明した。
予選3位から優勝争いを……という希望は僅か1周目にして破壊された。4位走行中の終盤に追突されたミド・オハイオ。そして今回と不運なレースが続いてしまった。
今週末は順延となったテキサス戦。248周のうちの71周が完了しているファイアストン600は、残り周回数が今週末に開催される。琢磨はレース中断の時点ですでにラップ・ダウンに陥っているため、厳しい戦いになる。早い段階でのリードラップ復活を何とか実現し、上位へと食い込んで行きたいところだ。
「ポコノでも得られたデータを基に、6月に走った時とは異なるセッティングをトライします。良いマシンが作れるものと楽しみにしています」と琢磨はテキサスへの意気込みを語っていた。