Photo&Text Hiroaki Matsumoto

 佐藤琢磨のインディカー通算3勝目は、過去の2勝とは違う意外な形で挙げられた。だが琢磨の喜びはかつての勝利と同じように、笑顔と拍手に包まれて祝福される幸せいっぱいのものだった。

 インディカー第16戦ポートランドは、11年ぶりの開催。街をあげてインディカー・ウエルカムのムードを醸し出していた。

 もちろん琢磨にとっても初めてのコースで、水曜日に現地入りして記者会見に臨んだ琢磨は「ポートランドはまったく初めて。素敵な街だし、食べ物も美味しいし。コースについてはノーアイディア(笑)。チームメイトのグラハムに教えてもらって、これから勉強するところ(笑)」とコメント。

■レッドタイヤのスピードに悩む琢磨

 木曜日には一日テストデイが設けられ、琢磨とレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングにとってはありがたいテストだった。ただ満足する速さを手に入れられたわけではなく、試行錯誤しながらの周回だった。午前中は9番手、午後12番手というタイム。4セットのタイヤで92ラップを走行した。

 走り終えた感想を琢磨は「いいコースだと思いますけど、1周1分を切るくらいだから気を抜く暇もないですね。オーバーテイクもターン1しかないかもしれない。まだクルマのスピードがちょっと足りないかな……」というテストデイだった。

 金曜日のプラクティスでは、午前のFP1は8番手だが、午後のFP2はなんと21番手まで落ちてしまう。

「レッドタイヤでのスピードが足りなかったですね。ちょっと考えないと……」と感想を漏らす。

 土曜日のFP3、琢磨は復調して5番手まで浮上して来た。「マシンもかなり変えたのですが、良い感触ですね。いいと思います」と思わせぶりな答えだ。

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