Report by Masahiko Amano / Amano e Associati

 チーム全体としてパフォーマンスの上昇が見られたのは、インディ500後のデトロイトからだった。テキサス、ロード・アメリカで琢磨は上位を争い、アイオワでついに3位でシーズン初表彰台に上った。

 そしてもうシーズンが残り2戦となったポートランドで、琢磨は予選20番手からの優勝を達成。このレースではまず作戦が良く、チーム全体としてのその遂行も完璧だったが、最も光ったのは琢磨の冷静沈着なレース運び、ミスのない完璧なドライビングだった。

ポートランド戦の勝利はダラーラのインディカー300勝目となった

昨年のインディ500終盤でのエリオ・カストロネベスとの攻防、そして今回のライアン・ハンター-レイを相手にしたバトルで、琢磨への評価はさらに上がった。アグレッシブで、ファイティングスピリットや勝利に向けた強い意欲が目に見える走りをする琢磨は、今やアメリカのファンの間でもトップかそれに近い人気を誇る。

 各レース最初の走行セッションで好発進を果たせなかった2018年の琢磨とレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングは、プラクティスや予選を通してセッティングを改善して行った。

 そして、レースに向けては、その週末に集めたデータから、一歩進めたセッティングを施すケースが多くなっていたが、琢磨陣営は高い確率でマシンのパフォーマンス向上を達成していた。

エンジニアのエディ・ジョーンズと勝利を喜ぶ琢磨

 琢磨とレイホール二世の信頼関係は厚く、琢磨の豊富な経験、技術面への高い理解度、担当エンジニアのエディ・ジョーンズとの長いミーティングがチームのエンジニアリング強化に貢献し、近い将来の飛躍に向けた土台作りが進んだ。

 ボビー・レイホールが思い描いているのは、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングをシリーズチャンピオンの栄冠を毎年争えるチームに育て上げること。2カーに戻っての2シーズン目となる2019年、琢磨とグラハムのふたりには各レースでの優勝、そしてチャンピオンの座を争うことが期待されている。

アメリカでも人気ドライバーのひとりとなった琢磨。インディカー参戦10年目の活躍はいかに?

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