この動きにも助けられ、首位アルドゥソがみるみるギャップを拡大していくと、5周目には早くもピットウインドウがオープン。すると6番手を走っていたシトロエン・トタルのホセ-マヌエル・ウルセラ(シトロエンC4ラウンジ)を皮切りに、レイバーのシボレーYPFクルーズら4台が続々とピットへ。
続く6周目にはプジョーのウェルナーが5番手でピットへと向かうが、作業を終えてボックスを離れたところでアクシデントが発生し、ファストレーンを走行中だったマティアス・ミラ(シトロエンC4ラウンジ)にヒットし180度スピン。ピットエリア内でマシンが進行方向と逆を向く事故を引き起こし、3周後にブラックフラッグが振られることに。
さらに元WTCC世界ツーリングカー選手権レギュラーであり2014、2015年のSTC2000王者でもあるネストール・ジロラミ(プジョー408)がピットへと向かうも、こちらはホイールガンがスタックするトラブルで貴重な時間を失ってしまう。
その後、アンダーカット狙いの中団勢から少し間をおいて11周目にトヨタのロッシが。13周目にシボレーのカナピノがピットへと向かい、それぞれフロントタイヤ2輪のみ交換でコースへと復帰。その動きを見て14周目に首位アルドゥソが満を持してピットへと向かうと、ライバル勢に合わせてフロント2輪のみのチェンジで戦列へと復帰していく。
そして王者のチームメイト、ペーニャのルノーは引っ張りに引っ張って最後にピットへと向かうと、30.7秒の制止時間というこの日全体最速の作業でピットアウト。しかしコース上でのポジション争いは、アウトラップで攻めたアルドゥソが逆転を許さず、前日をリピートするかのようなワン・ツー・フィニッシュ。
トップバッターでピットへと向かい上位に進出していたシボレーのレイバーは、終盤に右リヤが悲鳴を上げバースト。なんとかコントロールを維持したものの2度目のピットを強いられることとなり、最後の3位表彰台にはトヨタのロッシが滑り込んだ。
これでアルドゥソは選手権首位のカナピノに対し2ポイント差に詰め寄り、173対171ポイントとし、残るは3戦。10月7日開催の第10戦サン・ニコラスは、首都ブエノスアイレスの北200kmに完成したばかりの新設トラックとなり、誰にとっても初戦という未知の1戦となる。



