一方、今季も自らステアリングを握ってSTCCのタイトル争いを演じたハグロフも、次のように付け加える。
「今回、我々が披露したコンセプトカーこそ、スカンジナビアにおけるツーリングカー・レースの未来だと言える。私たちやパートナーにとって興味深いテクノロジーに挑戦する機会であると同時に、モータースポーツと自動車業界がさまざまな分野で新技術の課題を解決するチャンスでもあるんだ」
将来的なシリーズ発足に向け開発が進んでいるE-TCRと異なり、このプロジェクトは現段階でプロトタイプの域を出るものではなく、どのテクニカルレギュレーションにも準拠していない。STCCとしても最終戦を前にTCRオーガナイザーとの現行規定準拠のアナウンスを行ったばかりであり、当面は内燃機関ツーリングカーでのシリーズを開催していく計画だ。
「自動車産業の世界は、内燃機関と組み立てラインによる大量生産方式が確立して以来、最大の進化がもたらされる局面を迎えている。その道筋を表現するためのコンセプトカーでもあるのだ」と語るのは、同プロジェクトを後援し、PWR001のプロジェクトマネージャーにも名を連ねるSTCC AB代表のハンス・バース。
「私たちはすでに、さまざまな技術レベルで電化されコネクテッドとなった自動車に慣れ親しんでいる。そしてほぼすべての自動車メーカーは、この方向性を推進すべく大規模なプロジェクトを持っている」
「しかし同時に、これらの技術はまだ確立された分野が限定的で準備ができておらず、堅牢で信頼性あるテクノロジーとすべく、これからの開発作業が重要な意味を持ってくるだろう。だからこそ、我々はパートナーの能力と技術を結集してモータースポーツにその開発フィールドがあることを示し、イニシアチブを持って取り組もうと考えているのだ」

