中断からレース再開までの間に、2016年インディカー・シリーズは5レースを消化しなければならなかった。当然、今回は通常の赤旗のルールは適用できなかった。レースの行なわれる時間帯に違いがあるため、マシンセッティングへの調整は当然許可された。燃料やタイヤに関しても全エントラントがイコールになるルールが採用された。リスタート時には満タンにしてよいことになった。ファイアストンタイヤも新品が再支給され、全チームがゴールまでに6セット使用してよいこととなった。

■オーバルでの速さを見出した琢磨だったが……

 1周遅れでレース再開に臨む琢磨としては、6月とは異なるマシンセッティングで形勢の大逆転を実現したいところだった。テキサスでは予選4位だったが、2.5マイル・オーバルのポコノ・レースウェイではそれを上回る予選3位をゲット。

インディカー第9戦テキサス
インディカー第9戦テキサス

 高速オーバルでの予選用マシンセッティングに関しては、AJフォイト・レーシングは納得のいくものを続けて出すことができたのだ。そこにレース用セッティングも良くするヒントがあるのは間違いなかった。

 しかし、ポコノ決勝での琢磨は、空力のセッティングのミスから1周目に大クラッシュ。レース用セッティングに関するデータを収集することができなかった。しかも、オーバル用のモノコックタブにダメージを与えてしまったため、ロードコース用のタブを急遽オーバル用にコンバートしてテキサス戦を迎えていた。

 そして、琢磨はレース再開前のプラクティス開始早々にアクシデントを起こした。新たに組んだばかりの右フロントサスペンションが壊れたのだった。新しいコンセプトのレース用セッティングがどれだけの力を持っているのかを確認することができなかったばかりか、琢磨陣営は再開される決勝への出場も危ぶまれる状況に追い込まれたのだった。

 ガレージで必死の修復作業は続けられ、14号車は何とかギリギリでグリッドに着くことができた。列の後方に並べられることもなく、ヒンチクリフのすぐ後ろの、予定通りのポジションからグリーンフラッグを受けることとなった。

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