さらに本格シーズン開始2年目となる2021年以降は改訂版の技術規定を発行し、次世代型の代替パワートレーン(天然ガス、水素、EV)の導入も計画されている。
こうしたコンセプトの背景には、新規参入者と将来性ある技術がベースレベルで確実にそろえられ、同時にマニュファクチャラーにとっては市場での新型モデルをすぐに投入できる、との考えがあり、ファンに対しても常に新鮮なエンジニアリング・ソリューションを提示できるとのビジョンから設計がなされた。
「このLT4カップは、過去12カ月間にわたって詳細に検討作業を続けてきたプロジェクトであり、魅力的で実用的な提案であると確信している」と語るのは、ETRAのディレクターであるゲオルグ・フックス。
「トラック・レーシングには登竜門となるサブシリーズが必要で、ヨーロッパのトラックレースの風景に革命をもたらし、ドライバーとメーカーの双方にインセンティブを与えるように設定された。効率的な規定や運用により、ビジネスとしても強固な基盤になるはずだ」
そのフックスとともにETRAのボードメンバーを務めるロルフ・ウェルナーも、この時期に新シリーズ創設のアナウンスを行ったことについて「その存在を知らしめることは、ヨーロッパ全体のトラック市場に対しても重要な意味があった」と付け加えた。
「ドイツ、スペイン、フランス、チェコ共和国のような確立された市場のほか、ETRCを主軸としたこのトラックレースを、さらに新しい地域に持っていきたいと考えている」とウェルナー。
「モータースポーツはつねに未来を見据える世界であり、我々としても新鮮なアイデアを世に問う時期に来ていた。進歩的かつ詳細な方法でこれを行うことで、メーカーは新しい市場を開拓し、将来のトラックレーサーは貴重な経験とレースクラフトを得ることができるだろう」
このLT4カップの最終的なテクニカル&スポーティングの両レギュレーションと詳細については、今後数カ月の間に発表される予定となっている。

