続く10周目にも2016年王者で今季もタイトル争いを展開するアグスティン・カナピノ(シボレーYPFクルーズ)のマシンを預かるフランコ・ヴィヴィアンがドライブ中に、クルーズのエキゾーストから炎が上がるトラブルが発生し、こちらもピットへ飛び込むとマシンから飛び降りる危機一髪の状況となり、早くもタイトルコンテンダーが姿を消す状況に。
そんな波乱を尻目に、ファステストラップを連発しながら首位アルトゥラの背後に迫ったロペスは、タイヤライフが厳しくなりオーバーテイクするには至らずもテール・トゥ・ノーズの状態で2番手をキープし、25周目にピットへと飛び込むとロッシにバトンタッチ。しかし、ここでトヨタ・カローラにもまさかの波乱が襲う。
「首位のルノーは1周後に入ると読んでいた。だから僕らは迅速なストップでアンダーカットを狙ったんだ。でもペチート(ロペスの愛称)が降りてきたとき、オイルセンサーのインジケーターは“ゼロ”を指していた。おかげでスタートでは2度もストールしたんだ」と肩を落としたロッシは、なんとかコース上に復帰したもののマシンはエンジン失火の症状を抱え、まともにドライブすることもできない状態に。
「あらゆるボタンやディスプレイを操作して、なんとかリセットを試みた。それでコーナーが迫っていることに気づくのが遅れてワイドになってしまった。それ以降マシンはストールしたまま何も応えてくれなくなった。戦略は完璧だっただけに本当にガッカリだ……」と語ったロッシは、このリタイアでタイトルの権利を完全に失うこととなった。
これでライバルの消えたアルドゥソ/アルトゥラ組のルノー・フルーエンスGTが75分制限のフォーマットに到達し、そのまま優勝。2位にシトロエン・トタル・レーシング・アルゼンティーナのファクンド・チャプル/マルセロ・チャロッキ組(シトロエンC4ラウンジ)、3位にTGRAのジュリアン・サンテロ/サンティアゴ・ウルティア組(トヨタ・カローラ)の表彰台となった。
このリザルトでタイトル争いを俄然有利にした王者アルドゥソは、いよいよ11月25日開催の最終戦コルドバでシリーズ連覇に挑むこととなる。



