しかし7周目を過ぎた時点でルノースポールのサインガードに無線が入り、2番手を走る現チャンピオンから「パワーステアリングの油圧系統が機能していない」との悲痛な叫びが届くも、彼のフルーエンスGTはラップタイムを落とすことなくトラックを走り続ける。
すると11周目に7番手走行中のTOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナ、マティアス・ロッシ(トヨタ・カローラ)がエンジンから白煙を上げリタイヤに。その同じ頃、カナピノにかわされたペーニャのタイヤがブローアップし、緊急ピットを余儀なくされるなどレースが慌ただしく動き始める。
続く16周目にはレイバーのシボレーがスピンオフ、21周目には後続のバトルでクラッシュが発生し2度のセーフティカー(SC)ピリオドとなり、そのリスタートでは2番手争いのタイトル攻防戦が激化。
カナピノがマシンを接触させながらアルドゥソをオーバーテイクすることに成功し、その間隙に乗じた4番手のジロラミもルノーに襲いかかると、タイトルを意識して徹底的にリスクを避けたいアルドゥソは最終周のターン3で4番手に下がるリスクマネジメントを見せる。
さらにシトロエン・トタル・アルゼンティーナのファクンド・チャプル(シトロエンC4ラウンジ)も争う意志なく前に出したアルドゥソは、そのまま5番手のポジションでフィニッシュラインへ。
今季最終戦のレースはプジョーのマリアーノ・ウェルナーが快適なリードで勝利を飾り、2位カナピノ、3位ジロラミの表彰台に。
シボレーの元王者は自らの仕事を完遂したものの、現役王者の優位は揺らがず。5位に入ったアルドゥソが241点対230点のポイント差でドライバーズタイトルを獲得。同シリーズが2012年にSTC2000と名称を変更して以来、2014-15を連覇したジロラミ以来の2年連続チャンピオン誕生となった。



