しかしスタート直後に勝負を決めたマクローリンの優位は揺らがず、後続でのポジション争いを尻目に悠々のクルーズを展開。全車最初のピットストップを終えた後、27周目には今季からティックフォード・レーシングに加入したリー・ホールズワース(フォード・マスタング)がターン7でワイドになりウォールにヒットしてしまう。

 すると、そこへウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドのスコット・パイ(ホールデン・コモドアZB)が飛び込んでしまうアクシデントが重なる。

 2台はともに自走でピットへと戻り、マスタングは数ラップの修復でトラックへと復帰するも、パイは黄旗無視を重く見たスチュワードから失格裁定を受けることに。

 さらに3番手SVGのホールデンを追走した2台のマスタング、ティックフォードのエースであるチャズ・モスタートと、23Red Racingのウィル・デイビソンは再三SVGにアタックを仕掛けるも、40周目にはモスタートがブレーキングでロックアップしデイビソンの背後にドロップ。

 再び23RedのマスタングをかわしてRBRAに仕掛けた50周目にもエスケープゾーンに突入し5番手に逆戻りするなどモスタートは出入りの激しいレース展開となり、結局そのままフィニッシュラインへ。

 78周のレースで13秒のマージンを築いた首位マクローリンが、チャンピオン防衛に向け、そしてマスタングにデビューウインを贈る完勝劇で開幕レース1を制し、RBRAのウインカップ、SVGがその脇を飾る表彰台に。

 そして4位以下にはデイビソン、モスタート、そして序盤のペナルティから挽回を見せたクルサードのマスタング3台が並び、シリーズ争いは“マスタングvsRBRA”の構図になることを予感させるオープニングゲームとなった。

 続く日曜のレース2に向けてはマクローリンが最速を記録しポールからの発進となり、スタートでフロントロウのSVGとサイド・バイ・サイドの勝負を制して再び主導権を握ると、そのまま71周のレースラップを走破。2位には前日のレースで40度越えの気温のなかクールスーツが壊れ、マスタング勢で唯一トップ10圏外でレースを終えていたキャメロン・ウォーターズが、モンスターエナジー・フォード・マスタングで快走を披露。

 レース中盤27周目にはピットレーンでケリー・ニッサンのリック・ケリー(ニッサン・アルティマ)とモスタートがクラッシュするアクシデントが発生するも、上位勢に影響はなくマスタングがワン・ツー・フィニッシュを達成。最後の表彰台にはSVGが入り、マクローリンのシーズン独走に食い下がる決意を示した。

 2019年のVASC第2戦は3月14~17日のアルバート・パーク。グランプリコースを舞台に争われる“メルボルン400”で、F1開幕戦の併催イベントとして行われる。

エレバス・モータースポーツのデビッド・レイノルズは両レースとも手堅くトップ10入りを果たす
「マスタングの開発に携わったすべてのメンバーと、この表彰台を分かち合いたい」と喜びを語った王者マクローリン
R2ではピットレーンでまさかのクラッシュ。モスタートがケリーの元へ謝罪に訪れ、両者和解の結末に
R1をクールスーツのトラブルで落としていたキャメロン・ウォーターズはR2で挽回の2位表彰台を確保した

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