Tomoyuki Mizuno/autosport web

 フォーミュラEはワンメイクのシャシーで共通のバッテリーを使用するが、パワートレインのインバーターとモーターの開発がチームに許されている。1チーム2台が参戦している。ドライバーによって、コース上のドライビングではどのような違いが勝敗を分けることになるのか。

「チームの2台のマシンは同じだけれど、はドライバーによって回生エネルギーの回生率が異なるし、バッテリーの発熱温度もドライバー自身でマネジメントしなければならない。それらはもちろん、パフォーマンスにつながるよね。そういったたくさんの要素の妥協点をエンジニアとともに探しながらパワーを使って走行しなければならない。どれくらいエネルギーを使うか、どのくらい回生できているか、それからを考えながらマシンをコントロールしていくんだ」と、フォーミュラEの戦い方を説明するトレルイエ。

 今はリザーブという形でフォーミュラEに関わっているトレルイエだが、将来的に日本に戻ってレースをする可能性はあるのだろうか。

「もちろん、日本に戻ってレースがしたいよ! 当然、ニッサンに戻ることができればうれしいけど、正直に言ってアウディと契約したことで日本に戻るチャンスを失ってしまった。日本には本当にレベルの高いドライバーが多い。だから、僕のキャリアの終わりにアウディが日本のレースで走ることになったら、それはとてもグレイトなことだね」

 トレルイエはDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)のテストにも参加している。アウディ、BMW、そしてアストンマーティンが参戦しているDTMとスーパーGTがクラス1規定によってマシンが統一されることで、交流戦などを通してアウディのDTMマシンでトレルイエが日本でレースをする可能性も出てくる。

「そうだね! もちろん、DTMのアウディがスーパーGTに参加することは簡単なことではないだろうけど、日本に戻ってレースをすることは僕の夢だよ。日本にはとてもグレイトなファンがいるし、ご存知のように僕は日本を愛している。僕の妻も息子も、日本で生活する準備はできているから、いつでも引っ越すよ!(笑)」

 日本で活躍していた頃と変わりのない人懐っこい笑顔で日本のメディアに答えたブノワ・トレルイエ。フォーミュラEに舞台を変えても、モータースポーツと日本への愛情は変わっていないようだった。

フォーミュラE第5戦香港大会 ブノワ・トレルイエ
フォーミュラE第5戦香港で取材に答えるブノワ・トレルイエ

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