炎天下でレースが行われた2月の第4戦メキシコシティE-Prixではレース終盤に電欠が多発。そのためレース中断中のピットレーンでは、多くのチームが早急にマシンのバッテリーとドライバーを冷やしにかかる様子が印象的だった。
10分の中断を挟み、残り12分からSCランでレースはスタート。この周でSCが解除されるため、上位のベルニュ、ローランド、ダ・コスタ、アプトらはアタックモードを稼働。そして27周目にレースは再開される。
29周目、5番手ロッテラーがU字コーナーでアプトのインを刺し4番手に浮上。またトップのベルニュとローランドは1秒以内の僅差でラップを重ねていく。
そして残り0分、ファイナルラップに向かう35周目のターン8進入で、8番手走行中のブエミが、ブレーキングするも前を走るロビン・フラインス(エンビジョン・ヴァージン・レーシング)に追突。その勢いでフラインスは前を走るディ・グラッシに追突してしまう。
フラインスとディ・グラッシの2台がコース上に止まったことでファイナルラップ目前にFCYが導入。そしてラスト1周をFCYのまま消化し、レースは終了、ベルニュがトップでフィニッシュ。
ベルニュはSC中の運用ルール違反に関する審議対象となっていたがペナルティなしの裁定となり晴れてウイナーとなった。

「三亜でのレースを最高の結果でフィニッシュできた。中国でのレースを、中国のチームで勝てたことは本当に素晴らしいことだ。今後のヨーロッパラウンドでもいいレースをしたいと思う」とベルニュはコメントしている。
2位には練習走行から快調な走りを見せていたローランドが初の表彰台を獲得。今シーズンからアライアンスを組むルノーと入れ替わる形でフォーミュラEに参戦しているニッサンに初の表彰台をもたらした。
ローランドは「良いレースだったよ、ポールからスタートできたしね。でもレースは長く、赤旗が出たあとはタフなレースになった。初めて立つ表彰台は、凄くいい気持ちだよ。メキシコと香港でポディウムを逃してしまったけれど、今日ついに表彰台に立つことができた。本当にハッピーだよ」と語った。
3位には粘りの走りを見せたダ・コスタが入っている。
まさかのピットスタートとなったニッサンのブエミは、終盤の追突でレース後に10秒加算ペナルティを受けるも8位でフィニッシュ。ニッサン勢はダブル入賞を果たした。
全13戦が行われる今シーズンのフォーミュラE選手権もこれで6戦が終了。後半戦の幕開けは、戦いの舞台をヨーロッパに移し、4月13日にイタリアで行われる第7戦ローマE-Prixだ。


