そうした後方のバトルを尻目に、首位を行くグエリエリのシビックRはラップタイムペースに勝る優位性を活かし、市街地コースで過度な負担のかかるブレーキやタイヤを労わりつつ、ロングストレート手前のコーナーでは脱出速度重視のラインでストレートスピードを確保して、ビョークを抑え込む老獪なマネジメントを披露。

 18周のレースラップを走破したグエリエリは、2位ビョークとの距離を0.638秒のマージンでコントロールして見事に2019年最初のウイナーとなった。

「こんな特別な気持ちはマカオでの勝利以来だよ」と、喜びを語ったグエリエリ。

「僕の背後にはネストール(ジロラミ)がいて、スタートではともに上位からの戦いができた。この景色を長い間、それこそ何年も前から夢に描いてきたんだ」

「また、テッド(ビョーク)にもおめでとうを言いたい。僕はスタートで少しホイールスピンし、ショートシフトですぐに2速にアップしたんだけど、『テッドが来る』と感じたときには彼はもう僕の隣にいた。でもその瞬間に1コーナーのイン側に辿り着いて、彼はいつものとおりフェアな動きでブレーキングゾーンで勝負を仕掛けてきたけど、僕もディープブレーキングで対抗したんだ」

「もちろんこの結果を望んでいたし、オフの期間も努力を続けてきた。でもマラケシュに到着してからも何を期待していいかまだ掴めていなかったんだ。この素晴らしいチームで2年目を迎え、本当に特別な瞬間になったよ」

 続くレース2でもTCRマシンには厳しい消耗戦の様相となり、フロントロウに並んでのスタートとなったニッキー・キャッツバーグ、タルキーニのヒュンダイi30 N TCRの2台が隊列をリードしていくも、10周目を迎えたところでキャッツバーグのブレーキが突然悲鳴を上げ、ターン10の進入で速度を殺せずバリアにクラッシュ。

 これで4周のセーフティカー(SC)ランとなり、残る6周のリスタート後もマシンを労わってか大きな動きはなく、タルキーニが3秒3のリードを築いて勝利。前日ペナルティで7位までドロップしたベルネイが2位、スタートで前日勝者グエリエリをかわしていたヤン・エルラシェール(Lynk&Co 03 TCR)が3位に入る表彰台となった。

カムバックを果たしたWTCC3連覇王者アンディ・プリオールはR1でプッシングを受け後退も、安定した走りを披露
R1ではネストール・ジロラミ(左)も3位に入りアルゼンチン・ペアがともに表彰台に上がった
R2ではチームメイトの王者を従え首位を快走したニッキー・キャッツバーグだったが、ブレーキトラブルで万事休す
WTCR参戦車種で最も重いBoPを背負いながら、R2でヤン・エルラシェールがLynk&Coで今季初表彰台を記録

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