すると最初に動いたのは2番手を行くヌネスで、カンポスに対してアンダーカットを仕掛けると、これに反応したカンポス、バリチェロが続く周回ですぐにピットへと向かう。

 後続に16秒のマージンを作り出してピットインを決めたバリチェロだったが、ここでわずかに作業時間が長引いたことが災いし、上位勢でただひとりステイアウトを選択したゾンタに先行を許すと、ウインドウが一巡したところでゾンタ、カンポス、バリチェロのオーダーにかわり、真っ先にピットへ飛び込んでいたヌネスは8番手にまで後退する結果に。

 同じころ、レース1勝者のカミーロはマックス・ウィルソン(RCMモータースポーツ)とのバトルでマシンを損傷し、後方に沈むセラに対して貴重なポイントを加算するチャンスを自らふいにする失態を犯してしまう。

 元F1ドライバーでBAR、トヨタなど日本になじみのあるチームのマシンをドライブしたゾンタは、レース終盤に向け快調なペースを維持して一時7秒ものギャップを生み出すことに成功。

 後方ではペースの落ちてきたカンポスを仕留めた2014年シリーズ王者のバリチェロが2位に浮上し、その後方から迫ってきた5度のチャンピオン、“帝王”の異名を持つカカ・ブエノ(シムド・レーシング)がイージーにオーバーテイクを成功させ、表彰台圏内に上がってくる。

 レース終了の残り時間が迫るところでバリチェロは最後のスパートを見せ、ゾンタに対しラップあたりコンマ8秒も削り取る渾身の走りで迫るも、48分、26周のチェッカーが振られ追撃は及ばず。マージンを守りきったゾンタが2019年シーズン初勝利を決め、バリチェロが2戦連続の2位、ブエノが3位という実力者ぞろいの表彰台となった。

 4番手以降は、タイヤグリップの大幅ドロップで順位を落としていたカンポス以下、7台が数珠つなぎのトレイン状態で終盤の混戦バトルを演じると、ファイナルラップの1コーナーで3ワイドとなったカンポスが弾き出され、ガブリエル・カサグランデ(クラウン・レーシング)が大逆転での4位を獲得している。

 続くSCBストックカー・ブラジルの2019年シーズン第3戦は、5月18~19日の週末にシリーズを代表する名物サーキット、ブラジル中南部の高原都市ゴイアニアに位置する高速トラックで争われる。

ピット作戦でポジションを入れ替えたゾンタ、バリチェロが優勝争いの主役へと躍り出る
「燃料ポンプがオーバーヒートしていたが、マシンはなんとか機能してくれた」とゾンタ
「ドリンクが壊れていてしんどかった」と語ったバリチェロ(左から2人目)はランキングでも2位に浮上した

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