「TCRはとても興味を持って見ていたシリーズだし、とくにこの国でもチャンピオンシップが創設され、そこにスバルのマシンが参戦するとなれば、機会を逃すわけにはいかないと思ったの」と続けたテイラー。
「昨年末、イタリアに滞在した時に初めてTCRカーを経験したけど、素晴らしいフィーリングだったわ。ラリーに特化した私のドライビングスタイルをサーキットでのレース向けにアジャストする必要があるのは理解しているし、学ぶべきことが多いことも分かっている」
「でも、ケリー・レーシングのサポートがとても大きな助けになってくれると期待しているの。だって彼らはVASCでの膨大なノウハウを持つ、ツーリングカー・レースのエキスパートだし、私の力を最大限に引き出す術を知っているはずだから」
5月上旬にはシリーズ開幕に先立ち、VASCも開催されるメルボルン近郊のウィントン・モーター・レースウェイで合同テストが実施され、多くの参戦チームとオーストラリアに上陸したTCR車両にとって初のテスト機会となった。
「ウィントンでの1日は、私にとっても非常に重要な機会になったわ。イタリアのときとは条件も大きく異なっていたしね」と、テストを振り返ったテイラー。
「周回のたびにエンジニアとともにデータを付け合わせて、改善を図っていく作業はとても新鮮だったわ。それに普段なら誰かが車内にいて私に話しかけてくれるのだけど、今回はコクピットに私ひとり。それにグラベルからターマックの変化を上回るレベルで、ドライビングに緻密さと正確性を要求される。15台のマシンがともに走りながら、タイムを縮める勝負を繰り広げるのも、本当に大きな学習体験になった」
そのテイラーのチームメイトでもあるVASC経験者のアレックス・ルーロ、アンドレ・ハイムガートナーに並んで、ケリー・レーシング最後のドライバーも女性となり、シングルシーターを経てVASC下部のSuper2などに参戦、2018年はポルシェ・ミシュランGT3カップ・チャレンジ・オーストラリアで総合5位となったチェルシー・アンジェロとの契約も発表された。



