ダルベルトも序盤はゴルフGTIの背後でプレッシャーを掛け続けたものの、後半には3番手のブラウンからプッシュされる展開となり、ディフェンスラインを取らざるを得ず首位へのチャレンジを諦める形に。
一方のブラウンも最終盤に技術的トラブルを抱えたことで、4番手のアシュレイ・シューアード・モータースポート所属のディラン・オキーフ(アルファロメオ・ジュリエッタ・ベローチェTCR)に迫られ、レースはそのままのポジションでチェッカーを迎えた。
「TCRオーストラリアの初代勝者になれて最高の気分だ。歴史に名を刻むことができたね。ここへ到達するまでの道のりは本当に大変で、ハードワークの日々だった。(ロジスティクスを担当した)マット・ストーン・レーシングのクルーと、手助けしてくれたみんなに感謝を捧げたい」と、このシリーズ参戦に向け自らのチームを立ち上げて挑んだブライトが喜びを語った。
一方、2位に終わったポールシッターのダルベルトも「タイヤライフが未知数で、まだ全員がラーニングポジションにある」と、グリッドの全ドライバーが学習段階にあることを強調した。
「スタートでは少しミスをしてしまい、うまくライン上でトラクションを掛けることができなかった。でもシリーズ最初のポールポジション、最初のレースでの表彰台獲得は誇れる結果だと思う」と、ホンダのエースを務めるダルベルト。
3位に続いたヒュンダイのブラウンも「プッシュするのが本当に難しかった。(タイヤに対し)何が受け入れられて、何が受け入れられないのか。その見極めをしながらのドライビングだった」と振り返った。
「でも初レースのすべての時間、瞬間が楽しかったよ。みんながどうやってスタートしたのかはわからないけど、僕はうまくやって3番グリッドのアルファロメオをターン2で仕留めることができた。終盤はオイルが漏れてフロントタイヤに悪さをして危なかったが、明日の2レースも学ぶことばかりの勝負になるだろう」
そのブラウンの姿勢が功を奏したか、続く日曜に開催された2ヒートは、30分の休息を挟んで双方ともに豪州FIA F4王者でSuper2優勝経験も持つブラウンのヒュンダイが勝利。
まるでコピーしたかのようなレース展開となった日曜は、オキーフのアルファロメオを2回にわたってオーバーテイクしたブラウンが連勝を飾り、そのオキーフとホンダのダルベルトがポジションを入れ替える形で2戦ともに表彰台をシェアした。
シリーズ初年度の幕が上がったTCRオーストラリア。続く第2戦は6月8~9日に、VASCやMotoGPでもおなじみのフィリップアイランドを舞台に争われる。



