現地日曜正午にスタートを迎えた24周、レース時間50分の決勝は、スタートで波乱が巻き起こる。
フロントロウから無難なクラッチミートを見せたトヨタ勢に対し、後方ではシボレーのカナピノ、そしてルノーの王者アルドゥソと2台のマシンがまさかのストール。そのうちの1台であるチャンピオンマシンの背後に、トップ10圏外からジャンプアップしてきたフィアットDTAレーシングのエース、マリアーノ・ウェルナー(フィアット・ティーポSTC2000)が避けきれずに追突。
さらに弾かれたルノー・フルーエンスGTのテールに10番手から発進した同じくフィアットのマルケージがクラッシュする多重アクシデントとなり、いきなりのレッドフラッグとなってしまう。
幸い全ドライバーの無事が確認され、マシンの撤収とホームストレート上の清掃が終わると、レースはローリングスタートで再開。リスクの少ない先頭走者となったトヨタ勢は隊列をコントロールしながら首位をキープすると、スタンディングでストールしながらも九死に一生で復帰することができたカナピノが3番手を守ってオープニングラップを消化していく。
その僚友レイバーも4番手を走行するも徐々にペースが落ち始め、シトロエンのチャプル、ルノーのミラに相次いでかわされていく。
すると4周目にはカナピノのマシンにも異変が襲い、オレカ製ワンメイクエンジンはECUトラブルを抱えたか3000rpmより上に吹けない症状が発生し、そのままコース上にストップしてしまう。
これでマシン回収のためふたたびセーフティカーが導入されると、リスタートでは表彰台争いを繰り広げたシトロエンvsルノーの争いが激化し、ルノースポール3人目の男、ミラがシトロエンを仕留めて3番手に浮上する。さらにその直後、チャプルのC4ラウンジにもトラブルが降りかかり、ステアリングトラブルから戦列を去ると、選手権リーダーのペーニャが労せずして4番手を手に入れることに。
多くのアクシデントが発生したレースは23周終了でチェッカーとなり、トヨタのロッシ、サンテロの2台は波乱を尻目に盤石のワン・ツーを達成。3位にルノーのミラ、4位にもペーニャが入り、5位6位にはホンダ・レーシング・アルゼンティーナのウルセラ、リカルド・リサッティの2台が続き、ホンダ・シビックSTC2000がデビュー以来のベストリザルトを獲得している。
続く2019年STC2000シーズン第4戦は、同国第3の都市であり、北西部サンタフェ州最大の交通要衝でもある工業都市ロサリオのトラックを舞台に争われる。



