角田は練習走行1回目の途中でスピンを喫し、5周しか走れず15番手とスロー発進。同2回目と同3回目は6番手と挽回するも、少々不満の残る滑り出しだった。もっとも、同3回目に関しては、「足元に外れた部品が転がってペダル操作を邪魔されたため」と理由を説明しており、とくに大きな問題はなさそうだった。
迎えた土曜日午前の予選1回目は4番手と、チームメイト4名の中では最下位に終わった。しかも同日午後の決勝レース1ではスタートで順位を落とし、最後まで攻めの走りを見せるも表彰台には一歩届かない4位に終わった。その理由に関して角田は決勝レース2のあとに説明している。
翌日曜日の予選2回目、角田はポールポジションの佐藤に僅か0.047秒後れて2番手に留まった。しかし、決勝レース2では良いスタートを決め、2周目のヘアピンで佐藤のイン側へクルマを滑り込ませて先頭を奪った。視界が開けた角田はファステストラップを刻みながら後続との差を広げ、2019年シーズン初優勝を手にした。
「スタートは無難に決まった。後ろにリアムが居たので、早めに佐藤(万璃音)を抜きたかった。2周目のヘアピンでうまく前へ出られた。あとは自分の走りに専念するだけで、あまり後ろは見ないようにした。それでも何周かに1回は後ろを確認し、少しずつ離れていったのであとは自信を持って走るだけだった。終盤にリアムがコースアウトしたけれど、それがあってもなくても結果は同じだった」と角田。

「今日のクルマは良かった。昨日とは大きく変えた。じつはリアムや佐藤のセットと僕のセットは違った。僕がクルマから感じるフィーリングの伝え方が拙く、エンジニアへは逆のことを言っていた」

「そこで今日の予選からリアムや佐藤選手と同じようなセッティングにしたんです。予選でポールポジションを取れなかったけれどクルマは良くなったし、決勝のペースには自信があった。本当は開幕大会のポールリカールから勝ちたかった。少し遅すぎた感じもあるけれど、これから挽回したい」と角田は肩の荷を少し下ろせたかのような笑顔で語った。