これで労せずして2番手のポジションに復帰したチャンピオンは、その直後にレースコントロールより対コートニーのアクシデントで「レイノルズにドライビングスタンダードの警告」として5秒加算のペナルティが宣告され、見た目上は2番手ながらさらに優位な状況に。
すると13周目に一番手でピットへと向かった王者のマスタングは、最初のピットウインドウが一巡したところでアンダーカットに成功し、堂々パックの先頭に浮上してみせる。
さらにオープニングのアクシデントに対し僚友クルサードに「15秒のピットストップペナルティ」が課され、これで盤石かと思われたマクローリンだが、レースが中盤を過ぎたところで「オープニングラップのショートカットで得たゲインをコース上で戻したか」の審議が行われるも、スチュワードはこれを「お咎めなし」として一件落着。
セカンドピットウインドウ後は2番手モスタートとテール・トゥ・ノーズのバトルになるも、これを冷静に処して抑えきったマクローリンが4連勝で今季9勝目。2位モスタートのマスタングに続き、3位にホールデン最上位のレイノルズが続く表彰台となった。
「チームメイト同士の接触は、いつだってやっかいなものさ。僕は(接触した相手が)ファビアン(クルサード)だと100%知らなかったんだ」と、レース直後にアクシデントを振り返った勝者マクローリン。
「ターンイン時点で僕が優位だと信じていたし、マシンは充分に前に出ていると思った。その直後に衝撃を感じてコースオフしたんだ。ショートカットになったけど必死でコースに復帰したよ。そこからはひたすらプッシュだったけど、僕のマスタングは完璧に応えてくれたね」
明けた日曜も、午後の200kmレースに向け予選に臨んだマクローリンは、ドライでコースレコードを更新する正真正銘のポールポジションを獲得すると、フロントロウに並んだクルサードを従えて67ラップを走破し、DJRチーム・ペンスキーが盤石のワン・ツー・フィニッシュ。
マクローリン自身は5連勝で今季10勝目を挙げ、3位に入ったウインカップ、そして7位に終わったランク3位のシェーン-ヴァン・ギズバーゲンのRBRA勢に対し400ポイント近いリードを築く、圧巻のシーズンとなっている。
続くVASCシリーズ第7戦は、6月14~16日にヒドゥン・バレー・レースウェイを舞台に開催されるスーパースプリント戦、ダーウィン・トリプル・クラウンとなっている。


