しかし、12周目のファイナルラップに入ったところで攻めの走りが祟ったか、彼女のイベコはコーナー進入で激しくロックアップし、3番手を追走していたアルバセテに前を譲ることとなってしまった。
「実はレース序盤で足をつってしまい、さらに後方からはシュティフィが攻め立ててくるし、決して楽なレースではなかったよ」と、イベコで初勝利を飾ったラインアート。
一方、3位に終わったハルムも「彼のミスを待ち続けたけど、抜くにのに充分なものではなかった。後方のアントニオに対しても神経を使っていたつもりだったけど、ミスをしてラインの選択も誤ってしまったの」と、師弟対決を楽しんでの表彰台となった。
明けた日曜は予報どおり早朝から雨が路面を濡らす中、前日とは打って変わって見事な走りを見せたのがブラック&レッドのメルセデス。
Team Tankpool24のキスは予選スーパーポールを獲ると、雨量の増したレース3ではさらに安定感を見せ、2017年ハラマ戦以来の勝利をポール・トゥ・ウインで決めて見せた。
「今日の雨は最高だった。予選と同じように決勝前にも豪雨が来て、それがメルセデスのセッティングに完璧にマッチしたんだ。雨乞いをしてくれたイタリアの皆さんに感謝するよ(笑)。これがドライなら(2番手の)ラッコがもっと接近していたと思う」と、ハンガリー出身のキス。
そして週末最終のレース4は前戦でも3位表彰台を獲得していた帝王ハーンが、リバース6番グリッドからドライアップが進んだ路面のおかげで息を吹き返し快走。難コンディションのなかバトルを繰り広げ自滅していった先頭集団のレース展開にも助けられ、週末2勝目をマーク。2位サッシャ・レンツ(SL Trucksport 30/マン)、3位アンソニー・ヤニェク(Lion Truck Racing/マン)の表彰台となった。
続くETRC2019年シーズン第2戦は、6月22〜23日の週末にトレーラーヘッドたちにはさらにツイスティなハンガロリンクを舞台に争われる。



