するとこの戦略がズバリとはまり、マウリシオはピットを終えてポジション一巡のところでアブレウをかわして首位浮上に成功。そのままレース1と同じ33周のレースを44分26秒で走破し、カミーロ同様ジャンプスタート裁定で4位を剥奪された前戦のうっぷんを晴らすシーズン初勝利を手にした。

「チームは本当に素晴らしい戦略を立ててくれた。レースを通じて完璧な仕事をしてくれたクルー全員に感謝したい。僕らは前戦で重要なポイントを失っていたし、今回の勝利は彼らの働きぶりに値し、その努力に報いるものになった」と、チームをねぎらった2008年と2013年のシリーズタイトル獲得者でもあるマウリシオ。

 続く2位表彰台にはR1リタイヤのトップ10圏外からニュータイヤを装着してファステストラップ連発で猛追したブルーノ・バプティスタ(RCMモータースポーツ)が入り、3位にアブレウの表彰台に。

 4位にはシリーズ唯一の女性ドライバーで、自己最高位キャリアハイとなったビア・フィゲレイド(イピランガ・レーシング)が入り、フラーガが連続の5位に。フル参戦2年目で「本当に良くなった。トラックを知ったことでセットアップが進み、クルマが劇的に改善された」と語るピケJr.は連続のシングルとなる7位に入った。

「まだ依然としてペースを改善する必要は残っているけど、開幕から連続でポイントを獲得し、この週末に続けてシングルフィニッシュできたのは悪くない。チャンピオンシップを終えたときにトップ5に入る目標を達成するためにも、この進化を続けたい」と語るピケJr.は、これでランキングでも10位に浮上している。

 そのピケJr.に続きR2で8位となったバリチェロは、レース1でのトラブルが週末の足を引っ張ったと振り返った。「そう、最初のレースでグリッドに向かうとき、マシンが5速にロックされてしまったんだ。機械的な問題というよりはシフター周辺の電気的なトラブルみたいだった。それでR2に集中せざるを得なかったんだ」と説明したバリチェロ。

 一方、選手権リーダーのセラもレース2を前に「何が起こったのかはわからないが、マシンがセーフモードに入った。電源を切ったり入れたりを繰り返して復旧を試みたが、歩くような速度で5mほど進んだところで息絶えたんだ」と、スタートすら切れず。

 これでセラはR2の終了を待たずにヘリコプターでサンパウロへと移動し、次週に控えるWEC世界耐久選手権最終戦、ル・マン24時間参戦に向けAFコルセのチームに合流するべくブラジルを発った。

 この週末の結果、選手権首位はセラで変わらず。7点差でバリチェロが続き、マウリシオ、カミーロがそれぞれ3位、4位にジャンプアップしている。続くSCB第4戦はブラジル南端、ウルグアイ国境にもほど近いサンタ・クルス・ド・スルで7月20〜21日の週末に開催される。

R2で主役を演じたのは、R1中盤で戦略を切り替えた4番手発進のリカルド・マウリシオだった
R2を制した僚友とは対照的に、王者ダニエル・セラはスタートもできず。ル・マン参戦に向け早々にサーキットを後にした
SCB唯一の女性ドライバー、ビア・フィゲレイドがR2で幾多のバトルを制し、キャリアハイの4位を獲得
R2勝者のマウリシオ(左)、R1勝者のカミーロ(右)ともにランキングを3位、4位に大きく上げている

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