そこに伏兵として登場したのが5番手スタートのルカ・ギオット(ユニヴィルトゥオーシ)。33周目には松下の後ろ1.2秒まで接近。レースは終盤に向けて混沌としていく。
34周目、松下とギオットがマゼピンをパス。トップのデ・フリースに続いてそれぞれ2番手、3番手へ浮上。
そして35周目、松下がホームストレートエンドでデ・フリースをインから抜きついに首位へ浮上。タイヤが厳しいデ・フリースはギオットにもパスされ3番手まで後退した。
一時はギオットの勢いが勝るもタイヤを温存していた松下はマージンを維持しそのままトップチェッカー。
F2復帰後初優勝、2017年のハンガリー戦以来の勝利となった松下は「僕のレースキャリアの中で最高のマシンだった、本当にうれしいよ!」と無線で雄叫びをあげた。
パルクフェルメにマシンを止めた松下にはホンダF1の山本雅史マネージングディレクターも祝福に駆けつけ、国歌斉唱では君が代を目を瞑って聞き入った。
インタビューで松下は「昨日のフリー走行から感触が良かったのでチャンスがあると思っていました。決勝ではタイヤを交換した後は(タイヤを)セーブしながら走りました。なので終盤に余力を残せたのかなと思います」と英語で回答。
「チームの素晴らしいサポートに感謝したい、今日は本当に最高の日です」と改めて喜びを表現した。
なお2位にはギオット、3位にはデ・フリースが入っている。
ポイントランキングはデ・フリースが141点でトップ。ニコラス・ラティフィ(ダムス)が111点で2番手、セルジオ・セッテ・カマラ(ダムス)が92点で3番手につけている。
レース2は日本時間6月30日(日)18:00から行われる。


■FIA-F2第6戦オーストリア 決勝レース1 リザルト
Pos. | No. | Driver | Team | Time/Gap | SP |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 松下信治 | カーリン | 40Laps | 4 |
2 | 8 | L.ギオット | ユニ ヴィルトゥオーシ | 2.963 | 5 |
3 | 4 | N.デ・フリース | ART | 10.428 | 1 |
4 | 19 | A.ユベール | BWTアーデン | 10.786 | 2 |
5 | 5 | S.セッテ・カマラ | ダムス | 12.720 | 9 |
6 | 7 | Z.グアンユー | ユニ ヴィルトゥオーシ | 15.514 | 3 |
7 | 1 | L.デルトラズ | カーリン | 16.541 | 8 |
8 | 16 | J.キング | MPモータースポーツ | 22.321 | 15 |
9 | 6 | N.ラティフィ | ダムス | 23.184 | 6 |
10 | 15 | J,エイトケン | カンポス | 32.919 | 14 |
11 | 12 | J-マヌエル・コレア | ザウバー・ジュニアチーム | 35.892 | 13 |
12 | 3 | N.マゼピン | ART | 35.988 | 12 |
13 | 20 | G.アレジ | トライデント | 39.890 | 16 |
14 | 11 | C.アイロット | ザウバー・ジュニアチーム | 46.138 | 10 |
15 | 14 | A.マイニ | カンポス | 49.454 | 18 |
16 | 21 | R.ティベタ | トライデント | 1’10.057 | 19 |
17 | 10 | S.ゲラエル | プレマ・レーシング | 1’15.742 | 11 |
18 | 18 | T.カルデロン | BWTアーデン | 1’16.586 | 20 |
19 | 9 | M.シューマッハー | プレマ・レーシング | 1Lap | 7 |
20 | 17 | P.オワード | MPモータースポーツ | 1Lap | 17 |