その後方で目覚ましいジャンプアップを披露したのはクラッシュの発端となったブラウンのヒュンダイで、予選16番手発進からSC時点で6番手にまでカムバックすると、リスタートではアレックス・ルーロ、ジョン・マーティンと、2台のFK8ホンダ・シビック・タイプR TCRを仕留めて3番手にまで上がってくる。

 タンダー、コックス、ブラウンで推移した隊列は、7周目。FF前輪駆動ツーリングカー2戦目のタンダーがターン12でバランスを崩してスナップオーバーに見舞われ、まさかの4番手に後退しレースが動くと、3番手ホンダのマーティンがブラウンのヒュンダイを攻め立て、プレッシャーに押されたブラウンはターン9出口でタイヤを芝生に落とし、ポジションを明け渡す。

 そのまま首位コックスに迫りテール・トゥ・ノーズに持ち込んだマーティンだが、彼のシビックはフロントスプリッターを破損したようで終盤にペースダウン。ときを同じくして、今度はタンダーがブラウンを攻略し2番手に浮上してくる。

 そしてレースは4周を残したところでタンダーが勝機を見出し、ターン12のトラクションで勝ったアウディRS3 LMSは加速競争でコックスに競り勝ち再びトップランに返り咲くと、そのまま13周のフィニッシュラインを通過。TCR参戦2イベント目でさすがの初勝利を飾ってみせた。

 続いてコックス、ブラウンとチェッカーを受けるも、コックスはオープニングラップのモファットとの接触で10秒加算ペナルティを受け7位に降格。これでブラウンが復活の2位、3位にホンダのマーティンが続く表彰台となった。

 その後のレース2、レース3もこの表彰台の顔ぶれが活躍を演じ、再びSC発動の荒れた展開となったレース2は、ポールシッターのタンダーを逆転したブラウンがクラッシュの影響を払拭する今季4勝目を獲得。2位にタンダー、3位に同じく復活のモファットが続いた。

 そして最終ヒートのレース3は、ウォール・レーシングのマーティンがバサースト1000勝者に競り勝ちシリーズ初優勝を達成。2位に再びのタンダー、3位にモファットが続き、実力者たちが早くもTCRツーリングカーを完全にコントロール下に置いたことを感じさせるリザルトとなった。

 TCRオーストラリアの初年度シーズン、続く第4戦は8月2〜4日にVASCでもおなじみのクイーンズランド・レースウェイで開催される。

R2、R3でもSC出動のクラッシュが多発する荒れた展開のレースウイークとなった
痛々しいマシン外観にも関わらず、R1の2位に続いてR2を制したウィル・ブラウン。早くも国際シリーズ昇格の噂が立ち始めた
このラウンドから3台体制に拡大したWall Racingのジョン・マーティンがR3でシリーズ初勝利を獲得した

直前にGRMのクリス・ピザーがトラブルで離脱し、R3で連続2位を手にしたガース・タンダー(左)

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