連勝でさらなる勢いを手に入れたかったシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)だったが、アイオワは4位フィニッシュという結果に終わり、「今日のジョセフ(・ニューガーデン)は本当に速かった。自分はアンダーステアが強過ぎ、トラフィックでの走りをアグレッシブにできなかった」と語った。
ニューガーデンとのポイント差は39点から58点へと広がった。

ランキング5位のウィル・パワー(チーム・ペンスキー)は、ピットインの際にスピードが高過ぎ、なんとかコントロールしたものの、ピットロードへの進入時に規定のエリアから飛び出したため、ペナルティを科せられて今季初勝利のチャンスから遠ざけられた。
ペンスキー勢に割って入り、2位を獲得したのはスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)。
オーバーステア、アンダーステアに悩まされた彼は序盤で大幅ポジションダウン。2周遅れに近く、14、15位でのゴールというのが現実的になっていた。
しかし、最後のピットストップを大きく遅らせる燃費走法を採用。それが見事に当たって2位フィニッシュを成し遂げた。イエローが絶妙のタイミングで出されたのも味方していた。

ディクソンはトップグループより10周以上も遅くピットに入り、新しいタイヤのグリップを武器に、残り25周で切られた最後のリスタート以降にグラハ・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、昨年アイオワで2位フィニッシュしているスペンサー・ピゴット(エド・カーペンター・レーシング)、パジェノー、昨年のウイナーのジェイムズ・ヒンチクリフ(アロー・シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)をパス。ニューガーデンの2秒後方まで迫った。
ニューガーデンはパスできなかったが、2位という結果はディクソンにとって望外のものだったはずだ。
「最後まで諦めず、ゴールまで走り続ける。自分としてはずっとやってきていることだが、それが今回も大きなポイント獲得に繋がった。一時は2ラップダウンに近いところまで順位を落としていた」
「どうやって2位まで上がることができたのか、まだよくはわかっていないんだ。14位とか15位で終わって不思議のなかったレースで、2位フィニッシュできたのは、すべてチームのおかげだ」とディクソンは言った。
3位はヒンチクリフ。6番手を走っていたエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)がクラッシュして出された最後のイエロー、その少し前までシボレー勢がトップ4を占めていた。
しかし、作戦と粘り強さでディクソンがトップ3入りし、ヒンチクリフはアイオワでの強さを発揮し、自力で表彰台圏内まで上り詰めた。
ランキング2位のロッシは、アイオワでトップの座を争うことができなかった。それでも辛抱強く6位でフィニッシュ。ポイントダメージを最小限に抑えた。レース前に4点だった差は29点になった。
「今日苦戦するのはわかっていたが、実際にその通りになった。残るシーズンもそういう戦いを続けるだけだ。昨日の状況から考えれば、僕らのチームは最大限の成果を挙げた」とロッシは話した。

佐藤琢磨はアクシデントによるマシントラブルでリタイアした。
スタートでダッシュを決めて2番手に浮上したが、最初のスティント中に大きく後退。すると一度多いピットストップで逆転勝利を目指した。
しかし、競い合う2台のマシンの後ろで一瞬ラインがアウトに流れたところでセイジ・カラム(カーリン)に追突され、アンダートレイを破損したためにリタイアとなった。
「テキサスからずっと、上位を走っていながら結果を残せていない」と琢磨。
「昨日とまったく違うコンディション。それにマシンを合わせるのは難しく、自分たちはそれがうまくいかなかった。予選でトップ3だったペンスキー勢は、その速さを今日も保っていた。自分たちは予選は4番手だったが、レースではスティントが30周を超えたぐらいからペースの下がり具合が大きくなっていた」と琢磨はレースを振り返り、次のミド・オハイオで好成績を上げることにフォーカスすることを誓った。
琢磨のランキングは6位がまだ保たれているが、ポイントリーダーとの差は176点になり、ランキング7位のライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)は13点差、ランキング8位のレイホールは21点差に迫っている。