このラップ首位でコントロールラインを通過したのはBTCのクックとなり、一旦前に出たFK8シビックは手を緩めることなくモーガンを突き放しにかかり、16周で1.973秒のギャップを築いてトップチェッカー。
さらにファイナルラップ、最終コーナーのシケインでは“3タイムスBTCCチャンピオン”のマット・ニール(FK8ホンダ・シビック・タイプR)がWSRのトム・オリファント(BMW330i Mスポーツ)を仕留め、0.080秒差でコントロールラインに先着。劇的な逆転でBMWから最後の表彰台を勝ち獲り、オリファントの背後にチームメイトのカミッシュが続くトップ5となった。
そしてトップ6のリバースグリッドとなるレース3では、ポールスタートのPower Maxed Racing、ロブ・コラード(ボクスホール・アストラBTCC)を先頭に、カミッシュ、オリファントの3台が序盤のレースをリードしていく。
するとハンプシャー州のクラシックサーキット上空を黒い雲が覆い始め、落ち始めた雨粒がたちまち路面を黒く染めていく。屈指の高速サーキットをスリックで攻め続けるツーリングカーの車列は、トラックのいたるところでゆらゆらと危うげなコントロールを強いられる状況のなか、ラップ10でついにレースが動く。
高速コーナー“Church”でわずかに姿勢を乱した首位コラードのアストラは、左後輪を芝生に落としてわずかに失速。その隙を見逃さなかったカミッシュは、最終シケインのアウトサイドからボクスホールに並びかけ、一気にリードポジションを手に入れる。
その後、コラードはなんとか2番手で踏ん張り続けたものの、より強く雨の影響を受けたのはBMWの方で、ここまでのシーズンを席巻してきた新型3シリーズは、FRのバランスが悪さをしたかオリファントがみるみるポジションを下げ、最終的に7位までドロップ。
ここまで14レースで8度の表彰台を獲得しているカミッシュが、2019年チーム・ダイナミクス未勝利の流れを断ち切るシーズン初優勝。2位コラード、3位にニールのベテラン勢が続くポディウムとなった。
一方、新型モデル投入以降シリーズを席巻してきたWSR勢は苦しい週末となり、選手権首位の王者コリン・ターキントンは9位、同じくランク2位のアンドリュー・ジョーダンは7位が最高位というまさかの結果に終わり、タイトル争いの全体像に変化がもたらされる週末となった。
2019年のBTCCイギリス・ツーリングカー選手権、続く第8戦は約1カ月後の9月14~15日に、ノックヒルで開催される。



