予選のスピンで図らずもペナルティウエイトを回避する形となったサンテロは、その後も追撃の手を緩めず2番手のペーニャに迫ると、テール・トゥ・ノーズで再三プレッシャーを掛けていた首位ロッシをサポートすべく、三つ巴の展開に持ち込んでいく。

 これで後方をケアする必要が出てきたペーニャは、55kgのウエイトも影響し7周目にはついにトヨタの牙城を前にポジション陥落。これでサンテロがいつものごとく2番手でロッシの護衛に付き、早くもトヨタのワン・ツー・フォーメーションが完成することとなった。

 さらにレース中盤13周目にはトップ5争いにもう1台のトヨタ勢が加わり、その手前でシボレーYPFの元王者をオーバーテイクし5番手に上がってきていたマリアーノ・アルトゥラ(トヨタ・カローラ)が、ディフェンディングチャンピオンの背後をピタリとマークし、その隙を伺っていく。

 するとその直後、プレッシャーを受けたアルドゥソのルノーがわずかに姿勢を乱してワイドなラインになると、すかさず3台目のトヨタが前に出て4番手を確保。そのまま中盤に向け両ドライバーは何度もポジションを入れ替えるバトルを演じると、残り10周を切った時点で伏兵アルトゥラのカローラが完全に王者を振り切る好パフォーマンスを披露する。

 一方、終盤戦に向けサンテロは1秒前後のマージンを保ちながらリスクを犯すことなく2番手をキープしトヨタが盤石の体制を固め、後方3番手のポイントリーダー、ペーニャのルノーは前方のカローラと変わらないラップタイムながら、仕掛けるのに充分な距離までギャップを縮めることができず。

 隊列を組むような形で30周のフィニッシュラインをくぐったロッシとサンテロのカローラが2戦連続のワン・ツー・フィニッシュを決め、ロッシはリードラップを誰にも譲らない完璧なポール・トゥ・フィニッシュで今季4勝目をマーク。3位にルノーのペーニャが続き、4位に殊勲賞のトヨタ・アルトゥラ、5位に王者アルドゥソのトップ5となった。

 これでタイトル争いも選手権首位のペーニャは112点とし、トヨタのロッシが110点まで差を詰めることに。序盤で大量リードを許したルノースポール勢に対し、TOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニアのエースが怒涛の巻き返しを見せている。

 続くSTC2000のシーズン第9戦は、9月14~15日のスケジュールで恒例のサンタフェ市街地ナイトレースがカレンダー入りしていたものの、会期が目前に迫るなか州政府がイベント開催資金の提供をキャンセルする事態となり、現時点でも開催地はTBAで未確定のままに。シリーズ、オーガナイザー、アルゼンチン国内のサーキット関係者らが懸命の調整作業を続けている。

“もう1台のトヨタ・カローラ”、マリアーノ・アルトゥラも現王者を下しての金星
Q1最速のマティアス・ミラは、シボレーのアグスティン・カナピノらとバトルを演じ7位
この勝利により、ロッシは選手権首位ペーニャに2ポイント差まで詰め寄っている

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