更新日: 2019.08.28 10:58
豪州SC第10戦:王者マクローリン連勝で大先輩に並ぶシーズン16勝目を記録
明けた日曜の200kmレースに向け行われた午前の予選では、前日勝者マクローリンがモスタートへの借りを返す最速ラップを記録し、更新されたコースレコードを1分47秒4959へとさらに短縮するスーパーラップを披露。完膚なきまでにライバル勢を打ちのめしてみせる。
しかし午後の決勝では、最前列グリッドで昨日のモスタートが陥ったように蹴り出しが思うようにいかず、フロントロウに並んだウィル・デイビソン(フォード・マスタング/23レッド・レーシング)や、”7タイムス・チャンピオン”ジェイミー・ウインカップ(ホールデン・コモドアZB/レッドブル・レーシング・オーストラリア)らに先行を許すことに。
すると3周目のターン3〜4にかけてウインカップのホールデンとサイド・バイ・サイドに持ち込んだマクローリンは、トリプルエイト・レースエンジニアリングのエースカーを鮮やかにオーバーテイクし、同じマスタングをドライブする首位デイビソンに迫っていく。
5周目には先頭のデイビソン以下、マクローリン、ウインカップ、モスタート、そしてニック・パーカット(ホールデン・コモドアZB/ブラッド・ジョーンズ・レーシング)までが数珠つなぎになった状況を見るや、DJR陣営はアンダーカットを決断。
10周目に早めのピットへと向かったマクローリンは、前が開けたクリーンエアのトラックに復帰し、逆転を期してプッシュ開始。しかし翌周に反応した23レッドもデイビソンを呼び込み、給油量を抑えたショートストップでレッド&ホワイトのマスタングをマクローリンの前に送り出し、トラックポジションを優先した戦略で対抗する。
この動きに対し、16周目に再びピットへ向かったマクローリンは、4輪ニュータイヤとフルロードの給油を行い、誰もいないトラック上に戻り最後のスティントへと入っていく。そしてデイビソンもマクローリンをコピーし、少し遅れた19周目にピットへ向かうと前回抑えた給油量が災いし、ピット出口でマクローリンの先行を許して勝負あり。
そのまま41周を走破したマクローリンが今季16勝目を挙げ、1996年のデビューシーズンで年間16勝を記録したクレイグ・ラウンズに並ぶ年間最多勝記録を樹立した。
「シーズン開幕前には、まさか16勝もできるとは考えてもいなかった。21戦16勝なんて圧倒的な数字を残せたのはすべてチームのお陰であり、僕らはともにこの瞬間のために懸命に努力してきたんだ。DJRのメンバー全員を誇りに思うよ」と、喜びを語ったマクローリン。
続く2019年VASCシーズン第11戦は、マクローリンの母国ニュージーランドでのホームコースとなるプケコへが舞台の”オークランド・スーパースプリント”となり、9月13〜15日にシーズン最後のスプリント戦を終えたのちに、シリーズ最大の1戦となる耐久カップ開幕戦、バサースト1000が待ち受ける。
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