最終戦に向け、ニューガーデンのポイントリードは41点となった。2番手につけるのはパジェノーからロッシに変わっている。パジェノーのニューガーデンとのポイント差は42点と、ロッシとは1点差だ。
最終戦は3週間後、カリフォルニア州モントレーで開始される。ウェザーテック・レースウェイ・ラグナセカと名前を新たにしたコースで、インディカー・シリーズは2003年以来(当時のレースはチャンプカー・シリーズの1戦として開催)となるレースを行う。
そこでのレースはダブルポイントのため、ロッシとパジェノー、両方にニューガーデンを逆転してチャンピオンとなる可能性がある。ロッシはキャリア初、チーム・ペンスキーのふたりは共に2回目の王座を目指しての戦いを繰り広げる。

ニューガーデンは、「13番手スタートだったから、今回ぐらいのフィニッシュ(5位)を目指していた。スタート直後のターン1は危なかった。13番手ぐらいのポジションがいちばんリスクが大きい。あそこを幸運にも切り抜けられた」
「そこからはゲインあるのみだった。最終戦がダブルポイントじゃなかったらいいのに……。しかし、現実はダブルポイント。それは開幕前からわかっていること。最善を尽くすまで」
「ロッシかパジェノーが優勝した場合、僕は6位か7位にならないとチャンピオンになれない。その順位でゴールするのだって簡単じゃない。しかし、それを達成すべく全力で戦う」と意気込みを語った。
ロッシは、「自分がもっと多くのポイントを獲得したかった……のではなく、ポイントリーダーのジョセフ・ニューガーデンがもっと少ないポイントしか獲得できないことを望んでいた」と話した。
ニューガーデンの予選順位は13番手と悪かったからだ。しかし、彼はスタート直後の混乱を潜り抜けた。
「7番手スタートから3位フィニッシュで表彰台。タイトルを争うライバル全員より前でゴールした。チームは頑張ってくれていた。最終戦ラグナセカでの週末は緊張感に溢れたものになる。そして、そういう戦いを自分はとても楽しみにしている」とロッシ。
パジェノーは、「ディクソンは以前に45点差を逆転してチャンピオンになった。私たちはそれより少ないポイント差で最終戦を迎える。ラグナセカにタイトルの可能性を持っていけるというのはエキサイティングだ。全力を出し切るよ」
「今日は18番手スタートで7位フィニッシュ。チャンピオン争いに踏みとどまることを目標にして、それを成し遂げた。可能性を残して最終戦を迎えられる。それが非常に大きい。いちばん大事なことだ。何が起こるかはわからないんだから」と話していた。

琢磨は15位でゴールし、「金曜のプラクティス、ウォームアップでマシンが良かったので、セッティングはそれとほぼ同じで、昨年と同じくウイングを寝かせるなどしていました」
「スタート直後のアクシデントに巻き込まれてしまったのは、本当に残念。コナー・デイリーとぶつかったようだった。避け切れたと思ったのに、あっちが動いてきていたみたいで……。アレでサイドポッドに大きなダメージを受け、トップスピードが大きく下がっていた」
「サスペンションのトウリンクも壊れていたので、その修理で2周遅れに陥っちゃいましたね。ここはコースが短いので、イエローでもすぐに1周してしまう。クルーたちは全力で修理をしてくれたけれど、周回遅れになった」
「ロードコースでは1周でも周回遅れの挽回は難しい。悔しいレースになりました。無事に1周目のターン1をクリアできていたら、シモン・パジェノーあたり……だから7位ぐらいにはなれていたんじゃないかな?」と琢磨は話した。