そんなSVGに続きこのレース1で2位に入り、レッドブル・レーシング・オーストラリアのワン・ツーを決めたかに見えた“セブン・タイムス・チャンピオン”、ジェイミー・ウインカップ(ホールデン・コモドアZB)は、3位に入った23Redレーシングのウィル・デイビソン(フォード・マスタング)とともに、ぞれぞれバトル中の接触、ピットレーン速度違反で15秒のタイムペナルティが加算され、6位、9位に降格。変わってキャメロン・ウォーターズ(フォード・マスタング)、デビッド・レイノルズ(ホールデン・コモドアZB)の表彰台へと変わっている。
続く日曜のレース2に向けても、予選1発で最前列を確保したのはホールデン勢となり、前日ペナルティで貴重な2位を失っていたウインカップが、そのうっぷんを晴らすアタックでポールを確保した。
しかし、このシーズン24戦目となるレース2は、レースコントロールがリザルトを決定づける後味の悪い展開となり、1コーナーへのホールショットを決めて序盤戦を支配したウインカップに、SC運用の誤認という不運が襲いかかる。
事件が起きたのは13周目。ウインカップがルーティンピットへと飛び込んだ翌周のことだった。大過なく作業を終えたトリプルエイトのマシンは、6周目にアーリーピットを終えていたリー・ホールズワースのマスタングの前でコースへと復帰した。
しかし、同じ周にエレバス・モータースポーツ、レイノルズのマシンがスロットルのスタックという危険なトラブルに見舞われ、なんとかヘアピンでマシンを止めると、すぐさまセーフティカー導入が告げられる。
この際、まだルーティンピットを消化しておらず、暫定トップを走る集団がコース上に残っていたにも関わらず、セーフティカーは「先頭を捕まえる」べくウインカップの前でイエローライトを点灯して抑えようとレーシングラインへ入ってきた。
これに対し「あの時点で、セーフティカーは緑色のライトを点灯して(同一周回に戻れるよう)後方の僕たちを前に出すべきだった」と主張したウインカップは、セーフティカーの脇をすり抜け隊列へ復帰するアクションを見せる。一方、迷いながらもセーフティカー後方に待機した2番手ホールズワースはタイムを大幅に失う結果に。
結局、ウインカップにはセーフティカー追い抜きに対するペナルティが課され、セーフティカー導入時点で優勝を争っていたホールズワースも、ここでのタイムロスが響きトップ10圏外へと沈むことに。
代わってセーフティカーピリオド中にピットへと向かい大量の燃料給油を行いタイヤセーブに徹したのち、レース終盤でSVGを逆転したマクローリンが今季17回目のトップチェッカー。シリーズ新記録となる年間17勝目を飾る結果となった。
現時点では、シリーズオーガナイザーとウインカップ、そしてRBRA側の意見は、それぞれが「正しい」と主張する平行線のままとなっており、VASC運営側は続く第12戦、今季耐久カップ開幕戦でもあるシリーズ最大の1戦、“バサースト1000”が開催される10月10~13日までの約1カ月の間に「この問題の慎重な検証を進める」としている。



