更新日: 2019.09.23 13:42
インディカー最終戦詳報:ニューガーデン2度目の戴冠。レースはハータがライバルを抑え圧勝劇をみせる
予選6番手だったパジェノーが4位でフィニッシュ。彼はロッシを逆転し、シーズンランキング2位となった。2019年はニューガーデン、パジェノーとチーム・ペンスキー、そしてシボレーのドライバーたちが1-2を達成したのだ。
ポイントリーダーとして最終戦を迎えたニューガーデンは、「目指すのはタイトルのみ」と優勝争いとは関係ない戦いを貫く作戦に出た。
隣りのグリッドからスタートしたタイトル争いのライバル、ロッシの姿が常に見えるポジションを走ることにしたのだ。4位フィニッシュすればライバルのたちのフィニッシュポジションに関係なくチャンピオンという状況下で、予選4番手を手に入れながら、ロッシだけをマークする作戦。これは失敗したかに見えた。パジェノーが優勝の可能性を掴みかけたからだ。
しかし、終盤にパジェノーが失速。ニューガーデンは8位でのゴールでチャンピオンになった。ロッシはとうとう優勝争いに絡んでいけず、パジェノーは4位でフィニッシュ。ニューガーデンはチームメイトに25点の差をつけて自身2度目のシリーズタイトルを獲得した。
「自分でもこんな感情が込み上げてくるとは思いもよらなかった」とニューガーデンは表彰台で涙を浮かべた。
「ポートランドのレースを2週間前に終えた後、ポイント争いの状況、チャンピオンになるために必要な条件などを考えた結果、その難しさを改めて強く実感した。それ以来、僕はずっと大きなプレッシャーに苛まれ続けていた」
「だから今日、こうしてシーズンが終了してホッとしている。自分がチャンピオンになることができ、とても嬉しい」と彼は笑った。
「レースで何度も勝つことができても、シリーズチャンピオンになれないケースは考えられる。チャンピオンになるのは本当に大変なんだ。そのチャンスが巡って来たら、確実に手にしなければいけない。それは2度と訪れないかもしれないんだからね」
「僕かパジェノー、チーム・ペンスキーのドライバーがチャンピオンになるという目標を設定してレースに臨み、結果的に自分がチャンピオンになれたことを喜びたい。2度目のタイトルは、1度目よりも喜びが大きい。そんな風に感ずるとは考えてもいなかったし、それがなぜなのかも自分にはわからない。ただ、今日の方がタイトルの重みを僕は強く感じた。それは間違いない」とも2019年チャンピオンは語った。
佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は予選16番手からトップ10入り目前までいったが、レース終盤のリスタートでルーキーのサンティーノ・フェルッチ(デイル・コイン・レーシング)に激突され、21位となった。
ラグナセカ入りした琢磨のポイントランキングは6イだったが、ダブルポイントの最終戦で20番手以下となった結果、5位フィニッシュのローゼンクヴィスト、優勝のハータ、10位フィニッシュしたハンター-レイに抜かれ、琢磨の年間ランキングは9位となった。
2017年の8位が琢磨の自己ベストランキング。その更新は確実とも見えていただけに残念なレースとなった。
「2ストップで行く作戦でハードタイヤでのスタートとしました。しかし、走り出してみると、それが難しいとわかったので、早めのピットストップに作戦変更しました。変則的な3ストップで戦うことにしたのです」
「そこからは良いペースで走れており、グレハム・レイホールの真後ろの11番手まで上がりました。あの時点で私は彼よりペースが良かったので、トップ10でのゴールができると考えていました」
「しかし、リスタートで時速30マイル以上のオーバースピードでサンティーノ・フェルッチがぶつかってきました。その接触でのダメージは空力的なものだけで、決定的に大きなものではなかったのですが、さらにレースが進む中でマテウス・レイストとザック・ビーチと3台がほとんど並んでコークスクリューに飛び込むシーンがあり、そこで小さく接触したんです」
「それで右フロント・サスペンションを傷めてしまったようで、ストレートでマシンが真っ直ぐに走らなくなったので、ピットインして確認してもらいました。最終戦だし、ダブルポイントのレースで、終盤に何が起こるかわからないから、とゴールまで走り続けましたが、結局21番手のままでレースは終了」
「本当に残念なレースになりました。21位となってランキングも大きく落とすことになりました。しかし、今年は2回優勝ができたし、2回のPP獲得、優勝以外にも2度の表彰台と良いシーズンになっていたと思います」
「来年もっと良い戦いができるよう、オフの間に色々な準備を進めたいですね。風防などが装着されて新しくなるマシンでのシーズンになるので、2013年のように何かを早い段階で見つけて戦えるようにしたい。今シーズンも多くの方々、そしてファンの皆さんに応援を頂き、ありがとうございました」と琢磨は語った。