スタートでは4番グリッドから同じチョイスでダッシュを決めてきたブラウンを従えて、ホールショットを決めると、終盤に向けドライアップの路面で性能低下が進むリヤタイヤを労わりながら間隔をコントロール。今季12度もの表彰台を獲得している22歳の若手有望株を抑え込み、見事20周を走破してのトップチェッカーとなった。

「まず何よりも、ウォール・レーシングのメンバー全員を祝福したい。彼らは素晴らしい仕事をしてくれたし、僕がここへ来る機会を与えてくれたホンダ・オーストラリアとJASモータースポーツにも感謝している」と、レース1直後に喜びを語ったジロラミ。

「この挑戦を本当に楽しみにしていたし、両方の公式練習、予選、そしてレースを制覇してパーフェクトを飾れるなんて最高に幸せだ。レース終盤はトラック上にほとんど水量がなく、ウエットのリヤタイヤを心配したが、なんとか上手く保たせられた。明日の2レースも楽しみにしているよ」

 そう語ったジロラミは、続くレース2でもVASC経験者のガース・タンダー(アウディRS3 LMS)やジェームス・モファット(ルノー・メガーヌR.S.TCR)を従え連勝し、レース3でも同じくバサースト1000勝者のタンダー、そしてハイムガートナーを抑えて完全制覇。週末パーフェクトとなる”クリーンスイープ”を達成して、シリーズ史上初の記録を打ち立てた。

「なんてクレイジーな週末なんだ」と、週末のスケジュールをすべて終え、自身でも驚きを隠せない表情を見せたジロラミ。

「まず何より(R3の8位入賞で)TCRオーストラリア初年度に見事な初タイトルを獲得したウィル・ブラウンにおめでとうを言わせてくれ。これまで彼は非常に高い競争力を発揮して、素晴らしいシーズンを過ごしてきた」と、初対戦の王者を祝福。

「そして僕らは、この週末のすべてのレースに勝った。こんなときはなんて言ったらいいんだい? チームを祝福し、彼らが示してくれた僕への信頼にも感謝を捧げたい。僕の才能を信じ、可能性をくれた(チーム代表の)デイビッド・ウォールにもお礼を言いたい。この週末にTCRオーストラリアから受け取ったサポートにも感謝する。素晴らしい週末で、心からオーストラリアを楽しめた。また近いうちに戻ってきたいと思っているよ」

 これでブラウンは、計算上タイトルへの重圧なく11月15~17日開催の最終戦ザ・ベンドに臨める状況となり、ランキング2位のディラン・オキーフ(アルファロメオ・ジュリエッタ・ベローチェTCR)は3連勝での大逆転に一縷の望みを託す週末に。

 そして3連勝を飾ったジロラミの次戦は、10月25~27日開催。東ショートに変更された鈴鹿サーキットでのWTCRレース・オブ・ジャパンが待ち受ける。

以前のゲスト参戦2ラウンドとは異なり、ブルーからシルバーの3号車にスイッチしたガース・タンダーは、R2とR3で連続2位表彰台
R3の8位で事実上タイトル確定のウィル・ブラウン。「最後の最後まで、その事実を知らなかったんだ」
VASCドライバー勢に祝福され、大成功の遠征を終えたジロラミ。次戦はWTCR日本ラウンドとなる

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