9月のIAAフランクフルト国際モーターショーでラウンチされ、セアトの『クプラ e-Racer』に続くETCR規定2車種目のマシンとなった『ヴェロスターN ETCR』は、今後も2020年のシリーズ開幕までに多くの開発プログラムを経る計画だという。
「今後数カ月は非常に忙しくなるだろう。我々には基本的にふたつの課題がある。ひとつはミッドシップ・リヤ駆動のツーリングカーシャシーの開発。そしてもうひとつが、電動コンポーネントからいかに効率良くパワーを取り出し、競技で効果的な電力使用を実現するかだ」
「しかしながら、今後のテストスケジュールが順調に進みさえすれば、我々はTCR規定での成功作に続き、新たなウイニングカーを供給することができるだろう」
一方、WTCRではヒュンダイ・モータースポーツ製のマシンとライバル関係にあり、FK2、FK8と歴代ホンダ・シビック・タイプRをベースとしたTCR規定ツーリングカーを開発してきたJASモータースポーツも、すでにETCRプログラムの評価に取り組んでいることを明かした。
かつて、アンドレア・アダモのボスでもあったJASモータースポーツ代表のアレッサンドロ・マリアーニは、2013年から2017年にかけてのWTCC世界ツーリングカー選手権、そしてTCR規定のFK2、FK8シビックRに続き、新たに電動ツーリングカー開発に乗り出す計画であると、ハンガリーのウェブサイト“”wtcblog.hu”に語っている。
「JASモータースポーツが、当初からエレクトリックTCRをターゲットとしたプログラムの評価を続けてきたことは事実だ。現時点で、我々のプロジェクトは最初のマシン設計段階にあるが、残念ながらこれ以上のことは言えないね」と明かしたマリアーニ。
J.A.S自身は、この潜在的なETCRプログラムがホンダ・ブランドの車両で進むかどうかを明らかにしていないが、ここまでの経緯や将来的な可能性を考慮しても、ホンダとの関係性を維持しながら、電動ツーリングカー開発を進める選択肢が有力とみられている。

