しかし8周目の最終コーナーで他車のアクシデントに巻き込まれ、まさかのスピンオフ。これでトップ20圏外に転落し、中団までカムバックしての2ポイント加算が精一杯に。レース1終了時点で、タイトル争いには数字上の可能性で10人以上が名を連ねる、大混戦の様相となってきた。
その緊迫したタイトル争いをさらに演出するかのように、現地14時35分からのレース2もドラマに満ちた展開となり、レース1勝者イングラムがポールから隊列を引っ張ると、10周目のウェリントンストレート・エンドで2番手プラトが仕掛け、このバトルでカローラ、アストラともにラインを乱して失速。その間隙を突いたWSRのトム・オリファント(BMW330i Mスポーツ)が首位浮上に成功する。
しかし直後に雨粒がトラックを濡らし始め、マックツールズ・ウィズ・シセリー・モータースポーツのアダム・モーガン(メルセデス・ベンツAクラス)が堪えきれずスピン。これでセーフティカー(SC)導入が宣言される。
するとリスタートでは先頭のオリファントがダンプ路面でワイドになったのを見逃さず、イングラムがふたたびトップランを奪還。19周目に赤旗掲示でレースフィニッシュとなるまでポジションを守り切り連勝を果たすが、その背後ではタイトル争いを左右するドラマが発生していた。
レース1を14位で終えていた選手権リーダーのターキントンは、序盤のチャージで6周目にトップ10圏内へ浮上すると、WSRのジョーダンらを仕留めてすぐさま7番手にまでポジションを挽回。雨が落ち始める中、カミッシュらとワイドラインになりながらのサイド・バイ・サイドを展開し、プラトのボクスホールをパスしたところでSC導入となる。
この瞬間、ターキントンの背後でバトルを演じていたジョーダンとカミッシュは、SCボードが掲示されたことに気づかず混乱した状況のまま勝負を続け、カミッシュのシビックが接触しながらBMWの前へ。レース後に「SC先導中の接触、追い抜き行為だ」と、ジョーダンは怒り心頭の8位フィニッシュに甘んじると、その2台と対照的な動きを見せたのがターキントン。


