レース1でフルマークを逃し17点差でレース2を迎えたブリンクは、予選トップ6リバースグリッドの6番手スタートに。僚友ウェルナーソンがリバースポール発進となり序盤の隊列を率いると、3番手だったハグロフはシビックのアンダーソンにかわされ4番手に後退。さらに勢いを増したアンダーソンは立て続けにクプラを仕留め、コチュリンスキーをかわして2番手に上がってくる。
しかし、この状況がダールグレンをアシストする形となり、4番手ハグロフに道を譲られたエースはそのまま前方へとチャージを開始すると、PWRハグロフは当然のように6番手ブリンクの行く手を塞ぎ、WTCR帰りの共同オーナーが執拗なブロッキングを披露する。
そして7周目。高速右コーナーのターン7でハグロフとサイド・バイ・サイドのままアウト側から強引に追い抜きを掛けたブリンクのアウディは、そのままコースを外れてバリアにクラッシュ。軽いコンタクトを伴ったバトルで、コース上に生き残ったハグロフにはドライブスルー・ペナルティが課されたものの、ブリンクはここで2019年タイトルへの挑戦を終える結末に。
勝者ウェルナーソンに続き、アンダーソン、コチュリンスキーの表彰台。そして4位に続いたダールグレンが、2年ぶりタイトル獲得の美酒に酔うこととなった。
「本当に厳しい勝負だったが、1年を通じて戦い続けてきた結果が報われた。今日もクプラが勝てるマシンだったなら、迷いなく優勝を狙いに行っていたさ」と、80kgものハンデに苦しみながら、タイトル奪還を果たした39歳のダールグレン。
「ハンデの話をするのは本当に退屈だが、このトラックでの効果は絶大だった。ブリンクがクラッシュしている場面を見るより先に、無線でタイトル獲得を知らされた。そのときが今年初めて集中力を失った瞬間で、スロットルを踏むのを忘れてしまった。ラップタイムで3〜4秒は遅くなったよ(笑)」
一方、敗れたブリンクも週末のレース双方で結果を残せなかったことに不満を表明しながらも、タイトル奪還を果たしたダールグレンを称え、ブリンク・モータースポーツのチームタイトル獲得を喜んだ。
「R1はシビックが魚雷のようなオーバーテイクをし、R2ではハグロフが”通せんぼ”してきて、本当にフラストレーションが溜まる週末だった。でも大丈夫。フィニッシュ後30分もすれば、ドライバーズランキングで2位に入ったと同時に、僕らのチームがタイトルを獲った喜びが湧いてきた。巨大なPWRに対し”Underdog”の僕らが快挙を成し遂げたと言っていいはずさ」
このSTCC最終戦の週末には2020年カレンダーも発表され、新オーガナイザーMOMの就任とともに全7戦の開催が決定した。新たにデンマーク・コペンハーゲンでの市街地戦も含まれた2020年シーズンは、5月15〜16日のクヌットストープで幕を開ける。


