海外レース他 ニュース

投稿日: 2019.10.18 13:23
更新日: 2019.10.18 13:24

ユーロフォーミュラ・オープン最終戦:モンツァで佐藤万璃音、名取鉄平、角田裕毅が表彰台独占


海外レース他 | ユーロフォーミュラ・オープン最終戦:モンツァで佐藤万璃音、名取鉄平、角田裕毅が表彰台独占

 決勝レース2もモンツァの高速コースが生み出す競り合いに目を奪わる展開となった。予選2回目でポールポジションを奪った名取は、そのまま逃げ切りを図った。

「後ろが混乱していたので、最初の5周くらいは逃げ切りたくてプッシュした。今日は大きな駆け引きもなく、先頭に立って1秒くらいは後ろとのギャップを築ければと思っていたけれど、それは叶わなかった。最初の5周でのプッシュが多すぎたのか、タイヤが厳しいと感じ始めたときに後ろから接近された」と名取。

レース2序盤をリードした名取鉄平(カーリン)
レース2序盤をリードした名取鉄平(カーリン)

 ペースが落ちたとはいえ名取は、2番手スターとだったローソンと、レース1での攻防をほうふつとさせるバトルを第1シケインと第2シケインで繰り返す。しかし、レース中盤には後方から追い上げてきた角田にも抜かれて3番手へ後退。

「モトパークとはクルマのセッティングの違いがあったのか、セクター2で結構つらかった。僕らは昨日からストレートを重視して、第1シケインでオーバーテイクできるようダウンフォースをかなり削っていた。今日も昨日も同じようなセッティングを試したけれど、昨日よりもダウンフォースが必要なコンディションだった。少し欲張りすぎた結果、レース後半は厳しくなり勝利を逃してしまった」と名取。

 グリッド後方から優勝争いまで上り詰めた角田は、9周目にチームメイトのローソンから首位を奪った。「スタートは相変わらず悪くて、第1シケインでは1台に抜かれそうになった。そこは踏み留まり、あとはいつもどおり追い上げるだけだった。ペースはすごく良かった。抜いたり抜かれたりの展開になっても最後の最後には先頭に出られる自信はあったし、実際に先頭に立ったら後ろを引き離せるだけのペースはあった」と角田。しかし、セーフティカー導入で水を差されて優勝を逃した。

「最後は不完全燃焼だった。先頭に立ったあとセーフティカー明けの最終コーナーは、相当うまく立ち上がらないと第1シケインの進入で抜かれるのも止むを得ない。それで2番手に下がってしまった。しかも、セーフティカー明け直前の事故で最終コーナーはイエローフラッグが振られてしまっていた。残り2周で抜き返せる可能性はゼロだった。今季を振り返ると、FIA-F3は走れる機会が限られているので、その点EFOは良い練習になった。良いマイレージを稼げた」と角田は語った。

 また、決勝レース2で5位という不本意な結果に終わった佐藤は次のように振り返った。「決勝レース2のクルマのペースは強くなかった。勢いのあったチームメイトの角田選手に順位を譲って流れを変えようとした。でも、角田選手に付いて行けるペースもなく、さらに後ろから迫ってきた選手も危ない感じで迫ってきたので頭を切り替えて前へ行かせ、みんなのタイヤが厳しくなるレース終盤に勝負しようと思った」

「ただ、セーフティカーランがあれほど長引くとは予想外で時間が足りなくなった。終盤のパフォーマンスには自信があっただけに残念。残り2周になっても僕の勢いはあった。レースにはもちろん勝ちたかったけれど、僕はリスクを負ってまで勝つ必要はなかったとは言えるかもしれない」

「今季を振り返って、結果的には良い1年だった。ほとんどのことがうまく行った。安定して速かった。前大会のバルセロナではカーリンにやられたけれど、この最終大会は僕とローソン、モトパークのふたりが勝って締めくくれたのはチームとしても良かった」

「ドライバーズタイトルを獲得できたのはもちろん嬉しいけれど、シーズンを通して一度もリタイアが無く、さらにプライベート・テストや練習走行や予選まで含めて、まったくクルマにダメージを与えずに1年間を締めくくれたのは誇りに思う」

 2019年シーズンのEFOは本大会で終了。佐藤はこの後11月末から12月頭にアラブ首長国連邦で開催されるFIA-F2最終戦とFIA-F2のポストシーズン・テストを控え、角田は10月下旬にスペイン・バレンシアで実施されるFIA-F3テストを経て、11月半ばに中華人民共和国・澳門特別行政区で開催される第66回マカオGPへそれぞれ臨む。

 さらなる高みを目指す若き日本のドライバーの来季から目が離せない。

レース2を制したリアム・ローソン(モトパーク)
レース2を制したリアム・ローソン(モトパーク)


関連のニュース