そんなシリーズにとって前向きなニュースの一方で、この週末は11月中旬に航空機事故で急逝した元SCBドライバーのトゥカ・ロチャを追悼するイベントとしても開催され、レース前には彼のヘルメットをドライバー全員で囲んでの黙祷も捧げられて、レースがスタートした。

 土日ダブルラウンドとなった最初のヒートでは、ポールポジションから発進したカサグランデが優位性を保ちポール・トゥ・ウイン。フロントロウ2番手に並んだ“最速男”ことチアゴ・カミーロ(イピラガ・レーシング)は、ルーティンのピットストップ後に逆転を許し、セザール・ラモス(ブラウ・モータースポーツ)、ルーカス・フォレスティ(ボーゲル・モータースポーツ)、そして2連覇中の王者ダニエル・セラ(ユーロファーマRC)に先行され5位に終わっている。

 続くレース2は、このヒート1のトップ10リバースが採用されたが、主役を演じたのはR1で24番手から16位に入り、フレッシュタイヤでの逆襲を狙っていたセラの僚友リカルド・マウリシオ(ユーロファーマRC)。

 戦略を駆使して上位進出を果たしたマウリシオは、最終的にリバースポールのバルデノ・ブリトー(プラティ・ドナウージ・レーシング)をパスしてトップランを手にし、フィニッシュラインへ。後方ではフラーガ、ピケJr.らもペースの落ちたブリトーを仕留めて表彰台圏内へと上がってチェッカーを受けた。

 するとレース後の車検では、数々のバトルを経た首位マウリシオのマシンはブレーキライトの破損が認められ、SCBの厳格な規則運用のもとで失格処分に。これで2016年王者フラーガが繰り上げで今季2勝目をマーク。ピケJr.がフル参戦初年度の2018年に続き自己最上位の2位、ブリトーがからくも3位表彰台を手にし、4位にルーベンス・バリチェロ(フルタイム・スポーツ)が続くリザルトととなった。

 これで選手権首位を行く335点のダニエル・セラを中心に、カミーロ(306点)、マウリシオ(292点)、バリチェロ(284点)、そして同ポイントに並ぶフリオ・カンポスとフラーガ(293点)の6名にタイトル獲得の可能性が残されたまま、シリーズはいよいよ最終戦へ。

 12月14~15日開催のインテルラゴス戦“スーパーファイナル”では、通常の優勝30点に対して1発逆転の“ダブルポイント制”が導入され、ウイナーには一挙60点が与えられる。

第11戦の週末は、11月中旬に航空機自己で急逝した元SCBドライバーのトゥカ・ロチャを追悼するイベントとしても開催された
R1はポールポジションを確保したガブリエル・カサグランデ(Crown Racing)が勝利し、第10戦に続く連勝を飾った
R2ではトップチェッカーだったリカルド・マウリシオ(中央)が無念の失格。ピケJr.(右)が2位となった
4位のルーベンス・バリチェロ(Full Time Sports)も、タイトル候補の一角として最終戦に臨む

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