これで道が開けたハフは、難なくチャンのキアK3 2.0Tを仕留めて4周目に首位浮上を果たすが、その後方から猛然と追い上げてきたのは、予選14番手に沈んでいたオリオラのフォード。
同じ4周目にチャンをパスしてハフの背後に迫ると、最高出力でアドバンテージを持つフォーカスCTCCの優位性を活かしてすぐさまオーバーテイク。レース中盤で勝負を決め、最終的に1.638秒のマージンを築いてチェッカー。第5戦の寧波に続く2勝目を飾ってみせた。
続く日曜10周のレース2に向けては、予選セッションで最速タイムを記録したハフがポールポジションを確保し、フロントロウにオリオラが並ぶ前日トップ2直接対決の舞台が整う。
するとこのスタートでもパワーに勝るフォードが蹴り出しでフォルクスワーゲンを圧倒し、オリオラが1コーナーから切り返しの2コーナーにかけて首位を奪取。ハフは2番手に甘んじるオープニングに。
再三にわたるハフの攻撃をしのいで首位をキープしていくオリオラだったが、土曜決勝の終盤に相当する6周目に入ったところで、タイヤマネジメントの成否かオリオラがわずかにペースを落とすと、その隙を見逃さなかったハフが勝負に出る。
スタートで前に行かれたその1コーナーでインサイドラインをとったハフは、続く2コーナーまでにレコードラインを奪い、ラマンドGTSをコンパクトに旋回させ首位を奪還。1コーナーでインを塞がれ、ステアリングを切り込めなかったオリオラはワイドになり、大きくタイムを失うことに。
すると残り2周となった8周目のホームストレートで、オリオラのマシンは力なくスローダウン。序盤から抱えていたというパワーステアリングのトラブルが深刻化し、そのままマシンを止めることとなった。
これでハフは第2戦のここ上海に続く今季2勝目をマークし、WTCR世界ツーリングカー・カップのレギュラードライバーとして面目躍如。そしてオリオラの戦線離脱により、その長安FRDフォードのチームメイトであるレイニー・へが2位に入り、3度のCTCCチャンピオンでもあるアンディ・ヤンのフォード勢2台が並ぶ表彰台となった。
残るは最終戦のみとなった2019年CTCCは、キアのマーティン・カオとフォルクスワーゲンのチャン・チェン-ダン(フォルクスワーゲン・ラマンドGTS)が1点差でタイトル争いを展開。12月14〜15日の週末に、湖北省武漢市街地のストリートサーキットで雌雄を決する。


