レース再開後は東風キアのフォンタナが終始集団を支配し、2番手にはVWのアヴィラが続く展開となったが、ファイナルラップも残すところコーナーふたつというところで、マカオ出身アヴィラのVWラマンドが突如スローダウン。チームオーダーを受け後方にいたチャン・チェン-ダンをアシストするべく下がると、フィニッシュライン直前で先に行かせチェッカー。
「僕らのマシンが得意とする数少ない市街地レースだったので、こうしてクリーンな展開で勝利を挙げることができてホッとしている」と語るフォンタナが2019年シーズン初優勝を飾ったものの、2位イー・ホンリー(BAICセノヴァD50)の背後となる最後の表彰台にVWのチャン・チェン-ダン。そして4位にアヴィラが続き、SAICフォルクスワーゲン333レーシングが一丸のチームプレーを披露し、王座争いで優位に立つ状況で年間最終レース2へのお膳立てを整えた。
するとVW陣営の思惑通り、日曜19周のタイトル決定戦はラマンドGTSがワン・ツー・フィニッシュとなり、ふたたび予選最速でポールシッターとなったターキントンが前日のアクシデントによるドライブスルー・ペナルティを課されたことで、その背後フロントロウから勝者となったアヴィラに続き、2位チェッカーを受けたチャン・チェン-ダンが177点を獲得して2019年チャンピオンを獲得。
3位表彰台には前日のアクシデントでレースを失っていたBAICセノヴァのモーガンが入り、レース終盤のオーバーテイクショーでファンを沸かせると、ペナルティ消化で一時は13番手にまで下がっていたターキントンも、トップ10圏内の9位までポジションを回復し、2019年最後のレースを終えた。
「R1のアクシデント後も体は大丈夫だったが、少し憂鬱な気分になったね」と振り返った、BTCC最多タイ4冠を獲得したばかりのターキントン。
「コース上でルーフを下にして止まるのは、あまり気分の良い経験じゃなかったけど、少なくともマシンから無事に降りることができたのは幸いだった」
「R2はスタンディングのクラッチミートも悪くなくリードを保てたけど、すぐに背後のロドルフォ(・アヴィラ)を前に行かせたんだ。その直後に、レースコントロールからペナルティの宣告を受けた」
「これで僕の2019年は終わりで、2020年に向け休息に入るよ。ここ中国での経験は本業(BTCC)でも活かせると思うし、週末を通して僕らはこのマシンを最速に維持し続けた。チームメイトの王者獲得をサポートできて良かったし、またCTCCで戦える日を楽しみにしている」


