一方で明暗分かれたのがタイトルコンテンダーの6名で、今季“予選最速男”の称号を欲しいままにするカミーロは、最前列のフロントロウ2番手を獲得。セカンドロウ3番手に強豪シムドのフラーガが続き、同点ランク6位のカンポスが6番手。

 しかし、SCBシリーズ連覇中のディフェンディングチャンピオン、セラはQ2敗退の7番手に終わり、バリチェロもネルソン・ピケJr.(フルタイム・スポーツ)の後塵を拝す10番手、マウリシオはさらに後方13番手と、予選トップ10圏外に沈む苦しい展開となった。

 明けた日曜、今季最後のレースとなったグランドフィナーレは、5位入賞で無条件タイトルのセラに対し、選手権2位からの逆転を期すフロントロウのカミーロが勝利を狙ってフルプッシュの展開が予想された。

「もちろん、予選の時点では目標を達成しQ3に進出できたけど、レースではダニエル(・セラ)は6位に終わればよく、僕は勝つ必要がある。さらに予選トップ6にはパルクフェルメが適用され、燃料量やタイヤ使用制限など無視できない”変数”も残っている。明日はとにかく全開でいくしかない」と決勝前に語ったカミーロは、その言葉どおりにポールシッターのゴメスを執拗に追っていく。

 そしてルーティンピットのウインドウが開いたタイミングでカミーロは真っ先に動き、教科書どおりのアンダーカットに成功。逆転タイトルへの必須条件であるトップランを手に入れる。

 しかし、Q2敗退により燃料満載の状態でスタートを切っていたセラは、序盤戦をポジションキープでしのぐと、迎えたピット作業で無給油を選択し最短の停止時間でトラックへと復帰。この時点で3番手に浮上し、ポジションキープで王座防衛という盤石のレース運びを見せる。

 さらに最終ラップには2番手を走行していたフラーガがトラブルでスローダウンし、首位カミーロの背後2.594秒差まで迫ったセラは2位でチェッカー。チャンピオン争いを繰り広げた選手権首位と2位のドライバーが直接対決を繰り広げ、王者セラがSCBシリーズ40周年記念の節目を飾る3連覇を達成。父であるチコ・セラのシリーズ連覇記録にも並ぶこととなった。

レース序盤の上位勢に大きなポジション変動はなく、序盤はジリジリとした精神戦が展開される
ユーロファーマRCの29号車ピットには、いつもどおりダニエルの父、チコ・セラ(左)の姿も
予選3番手だった強豪シムドのフェリペ・フラーガは、最終周でまさかの事態に。後方ダニエル・セラはオープニングから6番手を守り続ける

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