続いて2輪から、22歳のスペイン人ライダー、アナ・カラスコをご紹介。2013年にカテゴリー史上初の女性ライダーとしてロードレース世界選手権のMoto3クラスにデビューしたカラスコは、Moto3で3シーズンを過ごしたのち、2016年はCEV Moto2ヨーロッパ選手権に出場。
翌2017年よりスーパースポーツ世界選手権300(WSS300)に参戦を始めたカラスコは、FIMが統括するチャンピオンシップにおいて、史上初めて女性ライダーとして優勝を飾った。
そして2018年。開幕戦アラゴンと第2戦オランダで入賞すると、第3戦イタリア(イモラ)と第4戦ポルトガルで連勝を飾った。それ以降のレースでは表彰台を逃すも着実に入賞を重ね、93ポイントを獲得してチャンピオンに輝いた。もちろん、2輪の世界選手権において女性のライダーがタイトルを獲得するのは初めてこと。モータースポーツ界においても大きな話題となった。

続く2019年は優勝が2回、表彰台が3回、獲得ポイントは117と前年を上回る数字を残したものの、ランキングは3位だった。しかしながらシーズン終了後に行われたテストでは、レインコンディションでのライディングに苦労していたという2019年シーズンの課題について欲しかった情報を得ることができたとSBKスーパーバイク世界選手権公式サイトで語っており、2020年に向けて手応えをつかんだようだ。
カラスコといえば、2019年のシーズン終了後にも話題があった。それは、11月末にヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで行われたSBKのウインターテストにおいて、シリーズ5連覇を達成したジョナサン・レイの駆るZX-10RRをテスト走行したことだ。
カラスコは走行後に「私のバイクとは大きく違って、ZX-10RRのパワーに驚いた。一番驚いたのはバイクがセンシティブなことで、トラックの欠点も感じ取ることもできる」とZX-10RRの印象を語っていた。
史上初の女性チャンピオンということで話題を呼んだカラスコだが、性別に関係なく実力を発揮して世界の舞台で戦えることを証明した彼女の今後の活躍に期待がかかる。


