迎えた78ラップ、250kmの2020年最初のスプリントは、ポール発進のウインカップが危なげなくホールショットを決めると、ホールデン陣営のレイノルズを従えて悠々とクルージング。アンダーカットを狙い、8周目に誰よりも早くピットストップを終えた王者マクローリンの追撃も許さず、ウインカップがポール・トゥ・ウインで開幕勝利を収めてみせた。

 これで最終スティントの逆転がかなわなかったマクローリンが2位、レイノルズとのホールデン対決を制したSVGが3位表彰台を確保し、コモドアZBとマスタングに施されたオフシーズンの空力性能調整がひとまず機能していることも証明された。

 明けた日曜の予選セッションは、前日とは逆にウインカップが暫定ポールを獲得すると、トップ10シュートアウトで意地を見せたSVGが2020年初ポールポジションを獲得。王者マクローリンは0.0383秒届かずフロントロウからのスタートとなった。

 そのオープニングではポールシッターのSVGがターン1~3へと続く“セナ・シケイン”へ先頭で入ったものの、サイド・バイ・サイドに並んだディフェンディング・チャンピオンがバトルでの強さを発揮し、レッドブル・ホールデンをかわして早々に首位へと浮上。

 直後にエレバス・モータースポーツとチーム18の全4台が絡む多重クラッシュが発生し、週末初のセーフティカー(SC)が導入されると、数周後のリスタート直後には7番グリッド発進だったウインカップが前日の王者をコピーするかのような動きでピットロードへ。これで2番手浮上に成功する。

 しかし続く周回に反応していたティックフォードの1台、リー・ホールズワース(フォード・マスタング/トラック・アシスト・レーシング)がウインカップの前方に立ち塞がり、フォード陣営が見事なチームワークで前日ウイナーの希望を打ち砕く。

 その後、2度目のSC介入によりピット戦略を決めたSVGがトップランを奪還するも、最終のルーティンピットで悲劇が。燃料を補給して充分なマージンを得てコース復帰したかに見えたSVGのホールデンは、残る周回数のガソリン搭載量に達していないことが判明し、3度目の緊急ストップを強いられることに。

 78周レースの69周目にスプラッシュ&ゴーを敢行したSVGは4番手でコース復帰すると、前を行くウォーターズ、モスタートのパックを猛追。しかしこの際のチャージが祟ったか、SVGの97号車はフロントのショックアブソーバーに異常が出てしまい、残り5周のターン7でウォーターズ攻略に出るも失敗。そのままレースを終えることとなった。

 トラブルで仇敵が去った王者マクローリンは、2019年のバサースト1000以来となる優勝を記録。2位にホールデンでの初表彰台となったモスタート、3位ウォーターズのポディウムとなり、ウインカップはデイビソンの背後5位でチェッカーを受けた。

 タイトル候補が火花を散らした開幕戦を経て、2020年VASCシリーズの第2戦は世界的な露出度を誇るF1開幕戦併催ラウンドへ。3月12~15日アルバートパークでの“メルボルン400”は、20ラップ×4ヒートのスプリントフォーマットで争われる。

2019年はフォード勢でも下位に甘んじたウィル・デイビソンが躍動。連日上位を争い5位、4位入賞
R2の予選から火花を散らしたSVGとスコット・マクローリン。レースではシェルVパワー陣営に軍配が上がった
ここアデレードで3勝を記録するSVGだが、燃料給油ミスとマシントラブルが重なり万事休す
移籍初戦で表彰台のチャズ・モスタート。ただしWAUは2020年限りでホールデン陣営を去ることをほのめかした

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