そして圧巻の勝負となったのがレース6、レース7のスペイン・バルセロナ2連戦。オフシーズンテストや欧州ラウンド開幕の地としてF1サーカスを代表するトラックでのレースは、F1とVASCを代表するレッドブル・エース同士の直接対決構図に。

 初戦の雌雄を決したのはオープニングラップで、再びのポールシッターとなったパスカーレを早々に仕留めたSVGは、仇敵マクローリンがスピンを喫したことで悠々のトップランを奪取。その背後には6番手発進から浮上のフェルスタッペンが続き、レッドブル・レーシンングのホールデンがワン・ツー体制を築く。

 ともにバーチャルレースを戦った経験を持つ親友同士はお互いの手の内を知り尽くしており、SVGはフェルスタッペンからのプレッシャーをすべて封じてのeシリーズ初勝利を獲得。この日2度目の2位となったフェルスタッペンに続き、ポールシッターのパスカーレ、そして同じくErebus Motorsportから初参戦の初代TCRオーストラリア王者、ウィル・ブラウン(ホールデン・コモドアZB)が続くリザルトとなった。

 そしてこの日最後の勝負となったレース7は、2番手浮上パスカーレがフェルスタッペンにヒットされスピンを喫したことで最初のターン1からクラッシュの連鎖が発生し、グリッド上の全車がなんらかの接触を経験する狂気のオープニングラップと化す。

 その混乱をくぐり抜けたのはやはり先頭ランナーの利点を活かしたSVGと、体勢を崩しながら持ち堪えたフェルスタッペンの2台で、対照的にErebusの2台はコースオフ、クラッシュを喫し20番手以降にドロップしてしまう。

 5周目には激しい2番手争いを展開していたフェルスタッペンとマクローリンが同時ピットへ向かい、首位SVGはプッシュを続けて2周後にピットへ。しかしコース復帰時にはフェルスタッペンに先行され、マクローリンを含めた三つ巴の首位攻防戦となる。

 すると9周目のターン1でSVGが勝負を仕掛け、よりフレッシュなタイヤを履くメリットを最大限に活用して、首位を行くF1ドライバーを鮮やかにオーバーテイク。そのままトップチェッカーを受け、バルセロナ2連勝。親友に対して完全勝利を収める結果となった。

 これにより『Supercars All Stars Eseries』のランキング14位だったSVGは、マクローリン、パスカーレに次ぐ3位にまで急浮上。スーパーカーのレギュラー勢と仮想空間で初対決したフェルスタッペンは、4戦中3度の2位というワールドクラスの才能を示してイベントを終えている。

 続く『Supercars All Stars Eseries』第3戦は、オーストラリアを象徴する名門サーキット、バサーストでのレース。ドライバーたちは4月22日(水)に同様のフォーマットで、マウントパノラマでのシングルトラック勝負に挑むこととなる。

シルバーストン初戦では親友SVGに先着し2位と意地を見せたマックス・フェルスタッペン

シルバーストンで4位、5位。バルセロナのR7で3位に入った王者スコット・マクローリンはランク首位を堅守した

「彼(SVG)は僕と走る時、いつもぶつかってくる。それもなぜか僕のせいだと思ってるみたいなんだ」と、レース後にも再びジョークを放ったマックス・フェルスタッペン

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