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 わずか8ラップのスプリントながら、ピット義務が課されたレースでは5番手のTickford Racing、キャメロン・ウォーターズ(フォード・マスタング)を含めた戦略バトルでもポジション変動はなく「決着はコース上」の様相を呈していく。

 首位のSVGより1周遅くピットを終えた2番手パスカーレは、その分だけフレッシュなタイヤでギャップを詰めると、ファイナルラップ最後のバスストップ・シケインでレッドブル・レーシング・オーストラリアのマシンに対しアウト側から勝負に出る。

 並んでシケインを立ち上がり、ホームストレートに向けた切り返しでインを取ったパスカーレが半車身のリードを奪ったかに見えた瞬間、SVGのマシンが接触した影響でErebusのホールデンはリアから巻き込むようにスピン。アウト側へとコースオフし、バリアにクラッシュしてしまう。

 このアクシデントにより、SVG、マクラフラン、ウォーターズ、そしてノリスの順でチェッカーを受けることとなった。

 しかし、レース直後からこのリザルトは暫定扱いとされ後日、eシリーズのドライビング・スタンダード・オブザーバーを務めるバサースト12時間勝者のクレイグ・ベアードから「99号車(パスカーレ)が97号車(SVG)をアウトからクリーンにパッシングする機会があったことが明白になった」との声明が出され、SVGに対しタイム加算ペナルティを課すことを決定。

 暫定19位だったパスカーレが4位に復帰し、SVGは勝利から4位へと転落。この結果マクラフランが勝利し、2位にウォーターズ。そして3位にはワイルドカード参戦のノリスが入り、変則的な経緯ながら初参戦初表彰台の快挙を成し遂げた。

「僕は数年前にザック・ブラウンが所有するスーパーカー(2011年式ホールデン)をドライブするため、トラックデイに参加したことがあるんだ」と明かした20歳のノリス。

「その時はガソリン切れでステアリングを握れなかったけど、今回のeシリーズ参戦は本当に楽しかったし、リアルなレースに参戦してみたくなった。可能性は高くないかもしれないけど、将来的にVASCに挑戦する野望は100%になったよ」

 続くレース2ではピットレーンで他車をブロックするアクシデントも発生し、TOP10リザルトに絡むことは出来なかったノリスだが、2019年のVASCではWalkinshaw Andretti Unitedのワイルドカード枠としてロッシやジェームス・ヒンチクリフがバサースト1000参戦を実現させた経緯もあり、マクラーレン傘下であるノリスの野望は早期に実現する可能性も残されている。

 そんなノリスが引き続き参戦表明した『Supercars All Stars Eseries』第6戦は再び北米大陸へと舞い戻り、こちらもF1トラックでもあるテキサスのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)と、フロリダのセブリング・インターナショナル・レースウェイを舞台に争われる。

R1でも度重なるドライビングエラーでペナルティを受け、R2で最後尾スタートとなっていたアントン・デ・パスカーレ
そのR2では、リバースグリッドのフロントロウ発進だった17歳のSuper2ドライバー、ブロック・フィーニーがワイルドカード枠初優勝を達成した
R3ではSVGが正真正銘のトップチェッカーを受け、WAUのチャズ・モスタート(写真)も3戦連続TOP5の活躍を演じた

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