「もちろん、シミュレーターでの私の経験はかなり限られている。そうした時代のフェーズを逃した最後の世代にあたるだろうからね」と、控えめな抱負を口にする45歳のラウンズ。
「最後の数シーズンはトレーニングに使用したけれど、レースとなれば別世界だろう。触覚的な感覚を持たずに頭だけでクルマを走らせるのは難しく、ドライビング全体の焦点を変える必要がある作業だ」
「それを観客として遠くから眺めるのは面白かったし、ときにはかなり滑稽に見える瞬間もあった。もし明日13日の夜にひとりだけ打ち負かせるとしたら、それは(おなじく仮想空間のドライブに苦しんできた)私のチームメイトであるジェイミー・ウインカップになるだろう(笑)」
これで4台体制となるRBRAは、全車おなじみのレッドブル・カラーを採用したホールデン・コモドアZBを登場させるが、各車でホイールの彩色を分け、タンダーは青、ラウンズは黄、SVGが白、そしてウインカップが紺のホイールを装着する。
また、前戦のスパ・フランコルシャン・ラウンドでVASCデビューを果たしたマクラーレンのランド・ノリスは、引き続きマクラーレンCEOのザック・ブラウンが運営に携わるWalkinshaw Andretti Unitedの04号車ホールデン・コモドアZBをドライブ。こちらもF1トラックのCOTAで先週の3位を上回る成績を狙う。
一方、ライバル陣営となるフォードでは第3戦バサーストに参戦したウィル・パワーが、再び名門DJR Team Penskeが走らせるShell V-Power Racingのフォード・マスタングのステアリングを握る。
そしてもう1台の国際ワイルドカード枠のマスタングには、NASCAR Xfinityのスター候補生オースティン・シンドリックのエントリーも発表され、GRCグローバル・ラリークロスでクラスタイトルも獲得した21歳の若手有望株が自らの名を冠したトラックでVASCデビューを飾ることが決まった。
「本当にクールな機会で、仮想空間ながらこのシリーズのグリッドに加われて最高にうれしいよ。僕はずっとこのシリーズの大ファンだったからね」と、意気込みを語ったTeam Penske社長ティム・シンドリックの子息でもあるオースティン。
「毎週、この空間でレースを戦っている彼ら全員に敬意を払っている。あまり高望みはしないつもりだが、上手くいけばスコッティ(VASC連覇中のスコット・マクラフラン)とファブ(ファビアン・クルサード)が僕のペースアップを助けてくれるはずだ」


