すると16周目にSVGがアーリーストップを選択しピットレーンへと飛び込み、フレッシュエアのコースへと復帰。多くが1ストップのなかSVGは2ピット作戦を選び、セーフティカー発動も考慮して先頭集団を出し抜く狙いが明らかとなった。
その動きを横目にリードラップを刻み続けたフロントパックは、21周目に動きを見せフルウッド、チャズ・モスタート(ホールデン・コモドアZB/Walkinshaw Andretti United)らがピットレーンへ。このタイミングでおなじくピットへ向かった現実のシリーズでチーム撤退のウィル・デイビソン(フォード・マスタング/23Red Racing)は、ピットレーンエントリーでスピンする失態を犯してしまう。
この間、風切り役として隊列を引っ張ったパスカーレが27周目でピットへ向かうと、パック内で燃料消費を抑えていたマクラフランがいよいよ首位に。するとここで猛烈なプッシュを見せたマクラフランは、背後のフルウッドを引き連れて続くラップでピットレーンへと飛び込む。
こうした最中に暫定首位に躍り出ていたSVGだったが、レース中盤以降の“フルコースコーション狙い”も実らず、31周目に予定どおり2度目のピットへ向かうと、結果的に16番手にまでポジションを下げて実質勝負の権利を失ってしまうことに。
レース終盤に向けマクラフランの敵は、背後に迫るWAUモスタート、Erebusパスカーレのホールデン軍団による攻めのみとなったが、両者ともにeシリーズのタイトルコンテンダーから脱落してレースでの勝利のみを狙う執念を感じさせる執拗なプッシュを見せる。
しかしこの猛攻が祟ったか、残りわずか4ラップとなったバックストレートでモスタートのコモドアZBがパスカーレのリヤにタッチし、両者ともにバランスを崩してErebusのマシンは堪えきれずスピン。これでWAUモスタートにはドライブスルーペナルティが出され、マクラフランが第5戦以来となる待望の4勝目を飾った。
この結果、ランキング首位SVGと2位マクラフランは2165対2087とわずか78ポイント差まで詰まり、いよいよ最終決戦を迎える『Supercars All Stars Eseries』。第10戦は6月10日(水)開催で、シドニー南西部に位置する1962年創設のオランパーク・レースウェイと、オーストラリアン・モータースポーツの聖地バサースト、マウントパノラマでの最終決戦が待ち受ける。

