「初戦で勝てたのは良かったけど、ヤンとアズコナが最初のシケインで絡んだのは残念だったね。冷たいブレーキでのバーチャルな接近戦……この環境はかなりトリッキーなんだ。でもお陰でクリーンな状況を手にしたよ」と、ライバルを案じつつ初戦を振り返ったグエリエリ。
「ただ背後にはマットが張り付いていて、ハードにプッシュしてきたのでまったく気が抜けなかった。とにかく最初の勝利を飾れてうれしいし、選手権でも良いポイントが得られた。2位のマットと3位に滑り込んだノルビにもおめでとうを言いたい」
続くレース2はトップ10リバースグリッドを採用するため、テッド・ビョーク(Lynk&Co 03 TCR/Cyan Performance Lynk&Co)がポール発進となったが、1コーナーシケインで縁石を乗り越えオーバーシュート。これで首位に立ったのがタッシで、レース1に続き再びシビックが主導権を握る展開となる。
その背後では、2周目に入ってミケリスがビョークを捕らえ2番手に浮上。さらに後方では、前戦で苦汁を飲んだアズコナが猛チャージを披露し、3周目にはニールス・ラングフェルド(アウディRS3 LMS/Comtoyou Team Audi Sport)をアウトサイドから豪快にオーバーテイクし、4番手にまで上がってくる。
その勢いは止まるところを知らず、続くラップのターン11では片側2輪をグラスエリアに落としながら、ビョーク、ミケリスを立て続けに仕留めて2番手に浮上。さらに首位タッシとの差も詰めていく。
レース1同様12分間の決勝で最大時間を迎えたファイナルラップ。ついにシビックの背後に迫った新型クプラだったが、ターン12で勝負に出たアズコナもその仕掛けは成功せず。タッシが逃げ切りホンダ・シビック・タイプRが連勝。2位アズコナ、3位ラングフェルドのリザルトとなった。
「最初のレースは僕のプランとはかなり違う展開になって大きなクラッシュに陥ったけど、レース2ではうまくスタートを切り、ビョークを仕留めてからは後続にスリップを使われないようにギャップを作ることだけに集中した」と振り返ったタッシ。
「ミケルが2番手に上がってきてからは毎周のようにギャップを詰められたけど、僕としてはタイヤのマネジメントに意識を払っていた。でも最初のシケインで慎重になり過ぎていて、最後は緊迫した展開になってしまった。でもラッキーなことにトップチェッカーを受けることができた。とてもうれしいね」
この結果、レース2でも8位入賞を果たしたグエリエリが選手権首位に立ったPre-season Esports WTCR Championship、続く第2戦は7月21日(日)のハンガロリンク戦が予定されている。

