「正直に言って、テスト初日は苦戦していてマシンのポテンシャルを最大限に引き出すことができていない状態だった。それでもトップと秒差圏内の3番手を記録できたのは励みになる。このフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRをさらに活用できれば、フロントランナーとして戦うことができるかもしれないね」と、北米では長くコルベット・レーシングのファクトリードライバーも務めたマグヌッセン。
さらにル・マン24時間やELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズでも活躍する女性ドライバーのミシェル・ガッティングが、開幕戦のみのスポットながらマイケル・マルクセン、マイケル・カールセン、ジョニー・ヴァイレら3名とともに、プジョースポールの支援するMarkussen Racingのプジョー308 TCRをドライブすることが決まった。
「そうね、少なくとも今季はこの1戦限りになると思う。テストへの参加が遅れてシェイクダウンは直前になったけれど、それでもこの週末のターゲットは先頭集団でレースを争うことよ」と語った26歳のガッティング。
2019年にル・マン24時間デビューを果たした彼女は、今季に向けIron Lynx teamと契約してELMSへのフル参戦プログラムを確定。2012、2013年シーズンにはDTMドイツ・ツーリングカー選手権のサポートイベントに組み込まれていたフォルクスワーゲン・シロッコのRカップにも参戦しており、このTCR規定ツーリングカーが前輪駆動マシン初体験……というわけではない。
それでも、ここ数シーズンでドライブしてきたフェラーリ488GTEとは「ドライビングの面で感覚的に大きな飛躍が必要」だと続ける。
「これまでプジョーに乗ったことはないけれど、2年間戦ったシロッコのワンメイク・シリーズのことは鮮明に覚えている」と語ったガッティング。
「私がELMSでドライブするフェラーリと比べると、それは明らかに異なる次元の乗り物だと言わざるを得ない。でも、このTCRでのレースを本当に楽しみにしているし、聞くところによると本当に許容範囲が広くてバトル向きのようね」
一方、選手権の有力候補として期待されていたスウェーデンのTPR Motorsportとキャスパー・エルガードのFK8型ホンダ・シビック・タイプR TCRは、チーム側がデンマーク国境を越える際の入国制限や保険の問題を解消できず、開幕戦のグリッドに並ぶことが事実上不可能な情勢に。
またレースの週末は無観客で行われ、ゲストのパドック入場も不可に。チームは各車両に対し、ドライバーと4名のクルーのみ作業要員としての登録が許可されている。


