そして3周後の18周目にようやくピットレーンに飛び込んだSVGは、定石通りにライバル同様の4本交換を選択。しかし左フロントの交換に手間取り大きくタイムを失い、マクラフラン、ウォーターズ、ウインカップ、そしてリー・ホールズワース(フォード・マスタング/Tickford Racing)の背後5番手でのコース復帰となってしまう。

 ライバル勢より数周分フレッシュなタイヤセットで猛追を開始したSVGは、すぐさまホールズワースを仕留めると、ウインカップが道を譲ってSVGを送り出し、残り10周のところで首位マクラフランと3秒差まで詰め寄ってくる。

 そして残り数周のところでマスタングのリヤウイング下にコモドアの鼻先を擦り付けるところまで迫ったSVGは、ファイナルラップに向け再三のプレッシャーを掛けていく。

 仮想空間でもバトルを繰り広げたニュージーランド出身“Kiwi”同士の勝負は、32周目の最終コーナーまで続いたものの、王者マクラフランが貫禄のドライブで退け、わずか0.1876秒差で開幕戦以来の今季2勝目をマーク。SVG、ウインカップの表彰台にモスタート、パーカットが続くトップ5となった。

 続く日曜の2ヒートに向けた予選ではウインカップがポールを確保したものの、レース2で主役を演じたのは伏兵BJRのパーカットで、6番グリッド発進の序盤から2番手に進出すると、制限の掛かる新フォーマットの影響で各陣営により片側2本交換か4本交換かの判断が分かれるなか、4本交換を決断したパーカットがピットアウト直後のウインカップを逆転し、2016年以来のVASC勝利を獲得した。

 同じくレース3でも週末の間に戦略判断が次々と更新され、早々に4本交換を判断したホールズワースとのマスタング対決を制したマクラフランが週末2勝目、シーズン5戦で3度目のウイナーとなり、右側2本交換を選択したレッドブル・レーシング・オーストラリア勢は判断が裏目に出て、ウインカップ3位、SVGが6位に終わっている。

 続く2020年VASCシリーズ第3戦は、ふたたびスーパースプリント・フォーマットを採用するウイントンでのレースが7月18~19日の週末に争われる。

R1でも5位入賞を果たしていたニック・パーカット(ホールデン・コモドアZB/Brad Jones Racing)が、R2でシリーズの盟主を下して値千金の勝利
「スコッティやレッドブル勢を相手にして勝てたなんて信じられない」と、喜びを語ったニック・パーカット
R3で王者相手に1.5秒差まで迫り2位となったリー・ホールズワース。「とにかくノーダメージでフィニッシュすることを祈った」

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