アメリカのビジネス再開にかける意気込みは凄まじい。日本では考えられないレベルだ。アメリカ国内のレースを含むメジャースポーツ開催の状況や雰囲気も変わりつつある。
先手を打ってNASCARがシーズン再開に踏み切ったのは5月中旬。モーターレーシングはメインのコンペティター=ドライバー同士が接触するスポーツではないということもあったのか、ほかのスポーツよりかなり早いタイミングだった。
もちろん、感染防止対策を徹底。ピットクルーなどのソーシャルディタンス保持、予選やプラクティスをなしとすることでサーキット滞在時間を短くするなどの措置をとった。イベントは無観客だ。
NASCARに続いてインディカーもシーズン初レースを6月初旬にテキサスで実施。10大会が中止となったゴルフ男子のPGAもレギュラーシーズンを6月前半にテキサス州で再開させた。
ファンをコースサイドに入れるのは7月16~19日のオハイオ州でのイベントが最初になりそうだ。ゴルフ女子のLPGAは7月末にシーズンを再開させる。
3月26日開幕予定だった野球のMLBは、7月23日か24日に開幕予定。30球団は移動をあまりしないで行える試合をメインに、60試合ずつ戦うスケジュールを組んだが、6月末の感染急拡大で先行きが再び不透明になっている。
フロリダなどの感染者激増州へ他州からの遠征が法律面からも難しくなるケースがあるためだ。3月半ばにシーズンをバッサリと終了させていたバスケットボールのNBAとアイスホッケーのNHLは、どちらも7月中にプレーオフを開始する計画。秋から冬がシーズンのアメリカンフットボールのNFLは、8月中旬にプレシーズンゲームを始める。
NASCARは全米プロスポーツの先頭を切ることで、存在感と力強さをアピールすることに成功したと言えるだろう。5月に5レース、6月には6レースを開催。ファンを入れてのレースも6月中に実現させた。
ところが、この6月末の全国的な感染爆発は、NASCARにも大きな影響を再び及ぼすことになるかもしれない。シーズン後半に計4戦を予定しているテキサス、フロリダ、アリゾナの3州がひどい状況に陥り、経済活動の再開プランも後退させざるを得なくなっているからだ。
NASCARも予定どおりにレースが行われるのか、心配される事態になっている。
